【札幌記念】サクラアンプルールV蛯名導いた「地元で勝てて良かった」

 プレゼンターの柳楽優弥と笑顔で握手する蛯名(右)
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 「札幌記念・G2」(20日、札幌)

 “エビショウ”が地元でファンを魅了した。6番人気サクラアンプルールが力強く差し切りを決めて重賞初V。夏の北海道シリーズは12年ぶりの参戦となる蛯名が、6歳の伏兵馬にタイトルをもたらした。

 ピンクの勝負服が札幌のターフで鮮やかに躍る。強豪が集う伝統の一戦で、サクラアンプルールが視線を独り占めした。「エビショウ!」。駆けつけた約3万人のファンから蛯名に歓声が飛ぶ。北海道出身の鞍上が見せた完璧なエスコート。6番人気の伏兵が主役の座を射止めた。

 道中は1番人気ヤマカツエースの後ろで息を潜める、歴戦の名手らしいレース運び。一転、勝負どころからの仕掛けは強気だ。「前走時とは気配が一変。手応え十分だったから、一気に加速したよ」。早め先頭の積極策から粘り込み、01年エアエミネム以来のV。北都の地で笑顔がはじけた。

 今年は夏の主戦場に北海道を選択。「こっちに滞在するのは12年ぶりになる」という新鮮な気持ちで、競馬と日々向き合ってきた。「地元で勝てて良かった」。同期の武豊が北九州記念を制した約20分後に、負けじと結果を残すあたりはさすがの一語だ。

 (株)さくらコマースの全尚烈代表は感慨深げに口を開く。「担当厩務員の父親がマルゼンスキー(JRA顕彰馬)をやっていて、その子(産駒)がサクラチヨノオー(88年ダービー馬)ですから」。マルゼンスキー生産者の娘にあたる橋本聖子議員もこの日は来場。「見えない何かを感じた」と、こちらも笑みは絶えない。

 今後の目標に置く天皇賞・秋(10月29日・東京)はオーナーの誕生日。サクラチトセオーが制した95年も同日だ。運命に導かれて大一番に向かう6歳馬。中距離路線に楽しみな一頭が登場した。

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