【セントライト記念】インペリアルフィズ ラスト1冠を小島太師へ 来年2月に定年
「セントライト記念・G2」(18日、中山)
トレーナーにとって最後のクラシック参戦へ-。インペリアルフィズが着実に臨戦態勢を整えている。来年2月いっぱいで定年を迎える小島太師が「距離が長ければ長い方がいい」と、大きな期待をかける一頭。伯父に01年菊花賞馬マンハッタンカフェを持つ素質馬が、大舞台を見据え、まずは難関突破といく。
「よっしゃ!」-。小島太師が思わず膝を叩いた。当初は除外対象の身だったインペリアルフィズだが、火曜の朝、賞金上位馬が数頭回避の方向との情報が入った瞬間だった。
「レースではすごく遊んでいる馬。それだけに距離が延びていいと思っていたんだ。今回は何としても使いたかった」と熱く語る。伯父には自らが管理した01年菊花賞馬マンハッタンカフェがおり、全兄ダービーフィズは菊花賞では16着と跳ね返されたものの、トレーナーの元で13年セントライト記念で2着した。その兄の分までも、の思いもあるだろう。
師は来年2月いっぱいで定年を迎える。現役時代は78年サクラショウリ、88年サクラチヨノオーでダービー2勝。79年ビンゴガルーで皐月賞に勝ったが、菊花賞には縁がなかった。淀3000メートルに対する思いはひとしおだ。
先週の紫苑Sではカリビアンゴールドが2着に食い込み、秋華賞への優先出走権をゲット。「期待通り。ようやく良くなってきてくれたな」と目を細める。今週は牡馬の番だ。「入厩当初は弱くてひょろひょろしていたが、一戦一戦しっかりしてきて、ようやく中身ができてきた。バランスのいい馬で、古馬になったらもっと良くなると思っていたんだ」と自然に口調も弾む。
兄の雪辱、そして偉大な伯父の姿を追う重要な一戦。「何としても菊花賞には出したい馬。それだけに今回も頑張ってほしい」。ホースマン人生最後の秋に実りあれ。ラストクラシックを見据え、自慢の一頭が虎視たんたんとチャンスを狙っている。