菜七子×白毛馬=異例の斤量47キロ!? 次週30日中山6Rで実現へ
来週30日の中山6Rに大注目だ!「ん?ただの3歳上500万下のレースだよな。それほどの注目レースか」と思われる方も多いだろうが、さにあらず-。カスタディーヴァ(牝3歳、美浦・田村康仁厩舎)が藤田菜七子騎手=美浦・根本康広厩舎=との初コンビで出走を予定しており、これが実現すると何と!負担重量が47キロになるのだ。
田村康仁調教師もそのことを意識して「彼女を起用したいと考えた」と説明する。ただ、そもそもこんなに軽い斤量で乗れるのかという懸念が思い浮かぶのだが、「それは俺も確認した。菜七子の体重は○○キロなんだ。問題はない」とのこと。実際、菜七子ちゃんと厩舎で会いましたが「全然、大丈夫な斤量です」と言っておりました。
では、どうして異例の47キロになるのかを説明したい。現在、古馬500万下のレースは3歳以上で構成されているが、「さすがに3歳馬が歴戦の古馬と同斤量で戦うのはまだ厳しい」ということで、3歳馬にはアローワンス(斤量面の優遇)がある。
これは月ごとに変わるシステムで、9月は『マイル以下で2キロ減、それを超える距離だと3キロ減』の恩恵。3歳牝馬のカスタディーヴァの場合、来週出走を予定している2200メートルへの出走だと通常なら52キロだ。
ところがこの馬は南半球産で9月25日の遅生まれ。この点にも優遇があり、現状では2キロ減がもらえる。これで50キロ。そして菜々子騎手は、皆さんもご存じの通り平場なら3キロ減騎手なので、最終的に47キロとなるわけだ。
ところで、47キロなどバリバリ『昭和』のおっさんのワタクシでも記憶にない斤量。そこで、過去約30年分のデータを調べると…47キロでヒットなし。48キロはそれなりに出てくるのだが、やはり記憶の通り過去30年近くでの出走歴はない。もしかしたら下限斤量があったのかな…と思い出走ルールも調べたのだが、障害戦には設けられているものの、平地戦では特にない。純粋にこの斤量でレースへ臨んだ馬は、ここ何十年もいないのだ。
調教師3世で、生まれながらにして競馬に接してきた当の田村師でさえ「俺でも全く記憶にない」と言っていましたから、一体いつ以来なのだろうか。まあ、本当に出走となればJRAから何か発表があるのか-。
カスタディーヴァはただでさえ、白毛馬で注目されている一頭。そしてこの斤量、さらに菜七子騎手が騎乗となれば、レース当日は大注目を集めることは必至だろう。(馬サブロー美浦支局・玉川 祝)