【スプリンターズS】レッドファルクス直線一気の強襲劇!史上3頭目の連覇
「スプリンターズS・G1」(1日、中山)
休み明けも何のその、直線外から鋭進した1番人気のレッドファルクスが、ゴール前で豪快に差し切った。G1昇格後の90年以降、史上3頭目となるレース連覇を達成した芦毛の6歳馬が、今後も短距離戦線を力強く引っ張っていく。2着は最内から伸びた5番人気のレッツゴードンキで、7番人気ワンスインナムーンが逃げ粘って3着。春秋スプリントG1連覇を狙った3番人気のセイウンコウセイは11着に終わった。
息詰まるゴール前。インから抜け出した桜花賞馬の復活シーンがファンの脳裏によぎったその刹那、連覇の懸かったレッドファルクスが外から飛んできた。直線一気の強襲劇から、刻まれたV時計は前年と全く同じだ。昨年は目を潤ませながら出迎えた尾関師が、今年は満面の笑みで厩舎の看板馬を見つめた。
G1タイトル請負人のM・デムーロがパートナーを大絶賛した。五分のスタートを切って、道中は中団待機。「スタートはうまいけど、前へ取り付くまでに時間がかかる馬で、3、4コーナーは後ろ過ぎかなと思った」。それでも腹の据わった騎乗は、直線での爆発力を生み出す。直線で馬群をさばき、豪快に繰り出した末脚は上がり3F33秒0。「手前を変えてからの脚は全然違っていた。いつも一生懸命に走ってくれて、本当に素晴らしい馬」。全馬がコンマ7秒差に収まった大激戦を制し、鞍上は心地良さげに汗を拭った。
G1となった90年以降、サクラバクシンオー(93、94年)、ロードカナロア(12、13年)に続く史上3頭目の連覇を成し遂げた。指揮官は「昨年、最優秀スプリンターに選ばれなかったのが悔しい。今年こそはと思うし、ここは是が非でも勝ちたかった。自厩舎のスタッフ、放牧先の関係者、そしてジョッキー。みんなの頑張りで応えられた」と快挙達成に感謝の意を表した。
香港遠征も含めて、気になる今後については「自分の中では香港は12月だし、もう少し考えたい。それよりも最終的には、1番人気に支持していただいた今年の高松宮記念を勝てなかった悔しさが頭にあるので…」と話すにとどめた。来年以降も現役を続行し、スプリント路線のタイトルを総なめに。絶対王者の地位を確固たるものにしていく。