【凱旋門賞】ダイヤ惨敗 ルメール「日本の馬場と全然違う」

 「凱旋門賞・仏G1」(1日、シャンティイ)

 今年も重い扉をこじ開けることはできなかった。日本から参戦したサトノダイヤモンドは、直線で伸び切れず15着に惨敗。ルメールは「日本の馬場とは全然違う」と、欧州独特の力を要し、さらに前夜の雨の影響を受けた重たい馬場を敗因に挙げた。1969年にスピードシンボリが挑戦してから48年-。まだ見ぬ頂を目指す挑戦は続く。勝ったのは凱旋門賞単独首位の5勝目を挙げたデットーリ騎乗の英国馬エネイブル。ダイヤモンドに帯同したサトノノブレスは16着に終わった。

 またしても欧州の高い壁に阻まれた。G12勝の看板を引っ提げて挑んだサトノダイヤモンド。昨年14着に敗れたダービー馬マカヒキのライバルも、同じシャンティイ競馬場で見せ場なく散った。駆けつけた日本のファンから一斉に漏れるため息。日本が誇る中距離界のエース格は、勝ち負けに加わることすらできなかった。

 レースは5頭出しのオブライエン厩舎の1頭アイダホが引っ張り、同厩舎のオーダーオブセントジョージが続く展開。断然人気のエネイブルも先行集団で続いた。ダイヤモンドは中団の馬群の外から進めたが、最後の直線半ばでは、重たい馬場にノメるような走りで本来の伸びはなし。力なく15着でゴールを駆け抜けた。

 2年連続でJRA所属騎手として挑んだルメールは、無念の表情を隠せない。「しょうがないですね。馬場が重くてフォワ賞と同じぐらい良くなかったから。でも、一生懸命頑張っていた」と相棒をかばう。「いいポジションでリラックスしていたけど、直線の反応が遅かった。最後は疲れていました」とレースを振り返った。

 前哨戦のフォワ賞で4着。評価が急落したなかでも、陣営は必死に巻き返しへ策を練った。西のトップトレーナーがプライドを懸け、再び磨き上げたダイヤモンド。だがフランスの地で本来の輝きを放つことなく終戦した。

 06年ディープインパクト(3位入線後に失格)、そして12-13年と2年連続で2着に敗れたオルフェーヴル。豊富な遠征経験を持つ池江師は「ダイヤモンドは硬い馬場で突っ張るような走りをする。合うと思っていたんですが…。読みが外れた」と語っていた。また、この日のレース後にルメールは「日本の馬場とは全然違う。(馬を)こっちに連れてきてからではないと(適性は)分からない」と話した。日本馬を苦しめてきたヨーロッパの重い芝。馬場の攻略は今なお大きなテーマとして立ちはだかる。

 だが、このままでは終われない。生を授かった時からノーザンファームで最上級の評価を得ていたダイヤモンドに、「オーラが違っていた」と里見治オーナーはセレクトセールの当歳セリで2億3000万円(税抜き)をつぎ込んだ。自身にとって初の凱旋門賞はほろ苦い結果になったが、「負けず嫌い。中途半端にはやめたくない性格」と話していた。次の機会では必ずリベンジを果たしてみせる。

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