【ボート】村岡賢人が25回目の優出で初優勝 天国の妻へ届けた最高のプレゼント
「瀬戸の若鷲決定戦」(3日、児島)
「ルーキーシリーズ第8戦・第28回瀬戸の若鷲決定戦」は12Rで優勝戦が行われ、地元の村岡賢人(27)=岡山・105期・A1=逃げ切って1着。2009年11月デビューから、25回目の優出で悲願の初優勝を飾った。
インからコンマ08を放つと、4カドからコンマ04のSを決めた丸野一樹(滋賀)のまくりを村岡が封じて1Mを先マイ。バックで後続に迫れたが、2Mを高速旋回すると一気に引き離した。
予選1位、準優1着、優勝戦の1号艇でイン逃げと王道の優勝を決め、「かなりのプレッシャーがあったのでホッとしました」と表彰式で地元ファンに報告。「スタートは自信を持って行った。調整はすごく合っていて足は完璧だった」と、前検日に引き当てた時点で2連対率がわずか19%だったエンジンを自らの手で仕上げた。
「先頭に出た瞬間にうるっときた。走りながら色んな思いがこみ上げてきた」と言葉を詰まらせた。ボートレーサーとしては何度も壁にぶつかり、跳ね返されながら一歩一歩前進してきた。
地元での初優勝は4年前に長女を出産し、同時に天国へと旅立った最愛の妻・美希さん(享年31)へ捧げる最高のプレゼントにもなった。「天国に行った妻が見てくれていると感じた。地元で優勝できたことがすごくうれしい。この優勝を機に、もうワンステップ、ツーステップ上のステージを目指して活躍したい」と涙の後はいつもの笑顔。表彰式後には水神祭が行われ、村岡を慕う後輩たちも一緒に水面へダイブ。共に喜びを分かち合った。