【天皇賞】ユタカ神業V 極悪馬場&発馬後手も冷静騎乗でブラック導く

 「天皇賞(秋)・G1」(29日、東京)

 G1馬8頭が集結した雨中の大激戦を、力強く制したのは1番人気のキタサンブラック。武豊が出遅れを挽回する鮮やかな手綱さばきを披露し、宝塚記念9着からの復活Vに導いた。これでG1・6勝目を挙げるとともに、テイエムオペラオー以来となる史上2頭目の天皇賞V3、史上5頭目となる同一年の春秋盾連覇も達成。鞍上は3度目の春秋連覇で、天皇賞は春&秋合わせて史上最多の14勝目となった。2着は2番人気のサトノクラウン、3着には13番人気のレインボーラインが入った。

 千両役者がどよめきを大歓声に変えた。1番人気のキタサンブラックが出遅れを物ともせず、G1・6勝目を飾った。宝塚記念9着からの復活V。年内引退発表後初の大一番を制し、武豊は「結果が出せてホッとした。ラストシーズンの手綱を任されている責任も感じていたので」と安堵(あんど)の笑み。初の不良馬場での一戦。水しぶきが上がり、泥だらけになっても最後まで人馬の気持ちは折れなかった。

 名人芸だった。ゲート内で「気持ちが入り過ぎてまずいと思った」という鞍上の予感が的中し、前扉に突進して後方からの発進に。想定外の状況にファンから悲鳴が上がったが、名手は至って冷静だった。「枠順もいいところだったし、こういう馬場で各馬が内に殺到しない状況だった。そんなに慌てなかった」。内側に進路を取り、徐々に位置を押し上げる。4角手前では、既に2番手まで導いていた。

 「道中、内を走ってそれほど馬場を苦にしなかった。腹をくくって内を突こうと思った。リスクはあるけど、思い切って行った」。コーナーで荒れた馬場を嫌って外を選択するライバルを横目に、空いた最内を強襲。直線半ばで先頭に立つと、今度は走りやすい馬場の中央へとエスコート。最後は内からサトノクラウンが強襲するともうひと伸びし、歓喜のゴールへ飛び込んだ。

 前人未到の天皇賞春秋14勝目を飾った鞍上に、北島三郎オーナーも「武さんは腕が達者。プロ中のプロ」と賛辞を惜しまない。清水久師も「宝塚記念の借りを返し、本当のブラックはもっと強いというところを見せたいと思っていました。よく頑張ってくれました」と人馬をねぎらった。

 引退まで残すは、連覇が懸かるジャパンC(11月26日・東京)と有馬記念(12月24日・中山)の2戦のみ。2連勝なら史上初のJRA・G1・8勝馬となる。武豊は「そうなるように全力を尽くしたい。あと2戦。勝てるように頑張ります」とキッパリ。再び勢いに乗った人馬が、さらなる栄冠を求め、有終シーズンを堂々と走り続ける。

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