【エ女王杯】ヴィブロス最強証明だ 3個目G1タイトルへ「不安なところはない」
「エリザベス女王杯・G1」(12日、京都)
現役最強牝馬が決まる-。昨年の秋華賞を制し、今春ドバイターフで海外G1のタイトルも獲得した4歳馬のヴィブロスが“最強牝馬”の称号を懸け、淀のターフに登場する。一方、3連勝で今年の秋華賞を制した3歳のディアドラは勢い一番。新旧女王対決が軸だが、一昨年の秋華賞馬、5歳のミッキークイーンも加え、18年ぶりに3頭の秋華賞馬が激突する。さらに連覇を狙うクイーンズリングなどトップレベルの現役牝馬が勢ぞろいで、超ハイレベルな女の戦いから目が離せない。
今春ドバイターフを勝ち、日本の牝馬としては史上5頭目の海外G1制覇を成し遂げたヴィブロスがエリザベス女王杯に臨む。
ドバイ遠征からの復帰初戦となった前哨戦の府中牝馬Sはクロコスミアに流れを支配されて首差の2着。敗れはしたが、上がり3F33秒2の末脚を駆使して連対し、存在感を十分にアピールした。
「あの流れの中でも勝ち負けに持ち込めましたから。ここに期待が持てるレースでした」と担当の安田助手は振り返る。あくまでも目標は叩き2走目になるこの舞台だ。
1週前、栗東CWでの3頭併せの追い切りでは、休み明けを使われた効果がはっきりと感じられた。来春のクラシック候補のワグネリアン(2歳オープン)を4馬身追走。徐々に差を詰めると、ゴール前できっちりととらえて半馬身先着した。
「一度使われた効果で馬体に張りが出てきましたよ」と安田助手が上昇を強調すれば、手綱を取った藤岡康(レースはルメール)も「動きは良かったです。無理はしていないし、息の入りもいい。バネを感じましたよ」とうなずいた。
姉は13、14年にヴィクトリアマイルを連覇したヴィルシーナ。ただ、エリザベス女王杯は12年2着、13年10着、14年11着だった。課題を挙げるとすれば姉が泣いた2200メートルの距離だが、安田助手は「この馬の方がバネを感じさせますし、マイル前後がベストだった姉よりは距離の融通が利くと思います」と前向きにとらえる。
確実に上積みを加算させて臨む、秋最大の目標レース。「昨年の春に無理をさせていない分、フレッシュな状態で迎えることができる。不安なところはないですね」と同助手はきっぱり。秋華賞、ドバイターフに続く、三つ目のG1制覇へ視界は良好だ。