【マイルCS】神懸かり的な鞍上の判断がVを呼び込んだ
「マイルCS・G1」(19日、京都)
レース前は「馬場が乾けば内が有利」という見立てだったが、当日の京都競馬場の天候は気まぐれ。時折襲う、スコールのような雨が状況を一変させ、9、10Rはともに鮮やかな大外一気が決まった。伸びるはずの内が渋化したことで、戦略上、騎手に与えた心理的影響は小さくなかっただろう。
勝ったペルシアンナイトはM・デムーロが「枠が気になった」と振り返るように、戦前は不利とされた大外枠から発進。道中は後方を追走し、馬群の中で息を潜めていた。
そして直線。各馬が馬場のいい外へ流れ、横一線の追い比べに。前方にスペースが生まれたことで、一気にVゾーンが開けた。ラスト1Fは2着エアスピネルと3着サングレーザーの間に突っ込み、ためにためた末脚を爆発。大逆転の鼻差Vを呼び込んだ。恐らく、内を突けば渋った馬場に脚を取られ、大外に持ち出せば距離ロスに泣いていたはず。神懸かっている鞍上の絶妙な判断がさえ渡った。
2着エアスピネルは自力で勝ちに行く正攻法の競馬。完璧な騎乗だったが、またしても運がなかった。1番人気イスラボニータも、直線の不利がこたえて5着と不完全燃焼。一方、勝ち馬とともに善戦した3着サングレーザー、4着レーヌミノルの“3歳勢”の健闘が光った。