田中博師“絆”大切に…現役最年少トレーナー決意の開業 スプマンテの子が入厩予定
東西トレセンで1日、新規開業厩舎がスタートを切った。元G1ジョッキーの武幸四郎調教師(39)=栗東、田中博康調教師(32)=美浦=ら、7人が新たな第一歩を踏み出した。
ついにやって来た厩舎開業日を、32歳の現役最年少トレーナー・田中博師は、やや緊張した面持ちで迎えた。騎手時代から海外へ武者修行に赴き、調教師試験に一発合格後も、見識を高めるために国内外で修業の日々。昨年、サトノダイヤモンドが挑戦した凱旋門賞で調教を手伝ったりもした。そんな新人トレーナーが最も大事にするのは「スタッフと同じ中に入って仕事をしていきたい。同じビジョンに対して、おのおのが考えていけるような厩舎にしたい」。決して上から目線ではなく、絆を第一にした厩舎運営だ。
運命の糸で導かれた若駒が、開拓期の礎となるかもしれない。居を構えた美浦南A1の、前居住厩舎は小島茂之厩舎。騎手時代、09年エリザベス女王杯を制したのは同厩舎のクィーンスプマンテだった。そのスプマンテの子が、田中博厩舎に入厩予定となっている。「父はオルフェーヴルで、スプマンテにとって初の男馬。楽しみにしているんですよ。小島先生に当時のスプマンテの馬房を聞いて、同じ馬房に入れたいです」と表情を崩した。
今週は出走馬がないが、「調教師を目指してから考えてきたことがいっぱいあるので、そこはこだわりたい」と所信表明。第二の競馬人生での大成を誓った。