【オーシャンS】キングハート激戦制し重賞初V 10番人気が波乱「状態良かった」
「オーシャンS・G3」(3日、中山)
今年も大激戦となったが、ゴール前でしぶとく抜け出したのは10番人気のキングハート。伏兵と呼ぶには失礼なほど、力強い走りでライバルを蹴散らした。
ハナを主張したネロが坂を上がっても懸命に踏ん張ったが、正攻法からグイグイと差を詰めてねじ伏せる。返す刀でナックビーナスの強襲を振り切り、待望の重賞初タイトルを手にした。大役を果たした北村宏は「相手なりに走れるので期待はしていた。スタートも決まって楽に追走。少しずるい面があるので、そこを出させないように走った」と完勝劇を回顧した。
星野師は「ようやく勝たせてもらった。いつかはやってくれると思っていたよ」と破顔一笑。普段は美浦の坂路追いが主体だが、今回は2週前からWコースに調教場をスイッチ。「坂だと絞り切れないと思ったから。今回は状態も良かった」。名さい配が勝負の命運をたぐり寄せた形だ。
この勝利で高松宮記念(25日・中京)の優先出走権を獲得。「オーナーと相談してだね。5歳になったばかりだし、大事に使ってはいきたい」と師は明言を避けたが、“キング”へ登り詰める第一歩を、力強く踏み出したのは間違いない。