【クイーンS】ソウルスターリング グングン加速 北村宏 最終リハで“復活”確信
「クイーンS・G3」(29日、札幌)
このままでは終われない。昨年のオークス馬ソウルスターリングが25日、札幌芝で躍動。正式な時計こそ上がり3Fだけとなったが、ゴール後も向正面まで流して態勢を整えた。藤沢和師、新コンビの北村宏ともに感触は上々。デビューVを飾り、快進撃のスタートとなった思い出の北都で復権を狙う。
ひときわ輝くG1ゼッケンが、緑のじゅうたんを疾風(はやて)のごとく一直線に駆け抜けた。昨年のオークス馬ソウルスターリングは新コンビの北村宏を背に、開幕前の札幌芝を単走馬なりでグングンと加速。「入りが遅くて余力があったので」。ゴール板を過ぎてからもそのスピードは衰えず、さらに半周ほど回ってフィニッシュした。
正式なタイムは上がりだけで3F39秒6-12秒0。それでも「抑えも利いていました。あとはレースまで順調に行ってほしいですね」と、19日の1週前追い切りで既に好感触を得ていた鞍上は、さらに自信を深めた様子だ。見守った藤沢和師も「いい感じで来ているよ。(前走の)ヴィクトリアマイル(7着)も競馬ぶりはそんなに悪くなかったから」と、復活への手応えを得ている。
父母合わせて16冠。超良血の名にたがわず、2年前の札幌デビューから4連勝を飾った。桜花賞で初黒星(3着)を喫したが、オークスでは圧倒的なパフォーマンスを披露して巻き返しに成功。G1・2勝目をマークした。だが、古馬牡馬に挑んだ昨秋以降は勝ち星から遠ざかり、今年も牝馬同士のレースで連敗。すっかり樫の女王の風格を失ってしまった。
「(もたれる面を見せない)右回りだし、ここは慣れているから。幾分、良くもなっているよ。まだ先のある馬だから、ここは頑張ってもらわないと」とトレーナーは復権へ期待を込める。北の大地から再び大舞台へ。輝きを取り戻すべく、反撃ののろしを上げる。