【京成杯AH】充実ベステンダンク 決めるぞ豪快弾 障害効果でパワーアップ
「京成杯AH・G3」(9日、中山)
前走の米子Sを5馬身差で楽勝したベステンダンクが、勢いに乗って重賞初Vを狙う。大逃げがはまったようにも見えるが、時計は1分31秒9と優秀だった。今年に入って障害を2走した効果でパワーアップ。開幕週の馬場だけにマイペースで逃げられるようなら、うるさい存在になりそうだ。
重賞でも鮮やかな“Vダンク”を決めてみせる。前走の米子Sで圧巻の逃げ切りを収めたベステンダンクが、勢いに乗って、初タイトル奪取をもくろむ。
「思っていた以上のパフォーマンスをしてくれました。時計も速かったですし、逃げて上がりも(メンバー)最速。申し分のないレースだったと思います」と手綱を取った鮫島駿は胸を張る。馬場状態を考慮して、レース前にジョッキーが安達師に逃げる意思を伝え、それを快諾。9番人気と評価は低かったが、あざ笑うかのように、まんまと逃げ切った。
障害効果も見逃せない。米子Sの前に障害を2戦して、ともに4着だったが、「もともとトモが緩かった馬。使った効果はあったと思います」と指揮官はうなずく。オープン昇級後は大敗続きだったが、飛越練習が奏功して、後肢に力強さが増し、最後の粘りにつながっている。
前走後は、ここまであえて待機。中京記念、関屋記念のサマーマイルシリーズ1、2戦には見向きもしなかった。「この馬は左回りは全然駄目なんです」と安達師。過去、左回りは一度も3着以内に入ったことがなく、右回りの中山に狙いを絞っての参戦だ。30日の1週前追い切りでは栗東坂路で4F51秒1の自己ベストをたたき出しており、目下の充実ぶりがうかがえる。
「前走の競馬からしても開幕週の中山は合うと思います。秋のG1に出走するためにも、賞金加算したいですね」と自身の重賞初Vもかかる鮫島駿は腕をぶす。前走をフロックとは言わせない。再び逃走劇を決め、マイル路線の新星誕生を印象づける。