【京都大賞典】スマートレイアー 円熟の秋 8歳牝馬が連覇へ 大久保師「いい感じ」
「京都大賞典・G2」(8日、京都)
円熟味を増した8歳牝馬が、再び輝きを放つか。スマートレイアーが、レース連覇を狙って秋の京都伝統の重賞に挑む。秋初戦となるが、新コンビの浜中が2週連続で追い切りにまたがり、好感触をつかんでいる。自在性と切れ味を兼ね備える同馬にとって、開幕週の絶好馬場はこれ以上ない条件。一線級の強豪牡馬を撃破し、健在ぶりを見せつける。
メイショウマンボをはじめ、同世代の牝馬が次々と母になるなか、8歳秋を迎えた昨年の覇者スマートレイアー。年を重ねるごとに毛色は白さを増すが、火曜朝、栗東坂路を駆け上がる姿は、高齢馬とは思えない活気に満ちていた。大久保師は「いい感じ。8歳と感じさせないバネがある」と納得の表情でうなずく。
年齢的な変化は確実にある。指揮官も「ここ2、3走の競馬を見ても、3コーナーから仕掛けられた時、以前なら持ったまま上がって行けたが、今は追っつけながらだから」と認める。一方、帰厩直後は不安視されていた状態も、「1回やればスイッチが入るんだろうね。先週の動きは申し分なかった」と上向き。調整の進度で復帰戦を決める方針だったが、昨年制した一戦への参戦を決めた。
新コンビを組む浜中も手応えは十分だ。栗東CWでの追い切りに、2週続けて騎乗。「いい動きでしたね。いい負荷がかけられていると思います。2週前より、1週前の方が良かったですし、馬に元気もある」と手応えをにじませる。「条件は合いそう。切れるイメージがある。きれいな馬場でできれば」と、前向きな言葉が並んだ。
21世紀以降、8歳牝馬によるJRA平地重賞制覇は、02年ガーネットSのブロードアピール、09年阪神牝馬Sのジョリーダンスの2例しかなく、勝てば自身の連覇を彩る快挙となる。「宝塚記念(10着)のあと疲れを見せた時は、そのまま繁殖という話もあったほど。今後は競馬の結果次第で考えたい」と師。残りの現役生活は一戦一戦が勝負。デビュー年から6年連続Vを狙い、今年も芦毛の馬体が淀で躍動する。