凱旋門賞の臨戦過程に検討の余地
「魁!海外馬券塾」(10日)
凱旋門賞から4日が過ぎた。クリンチャーはレース後の疲れもさほどなく、帰国を待っている。
道中は勝ち馬エネイブルと並んで走っていたが、残り300メートルで力尽きてしまった。他の馬が荒い息遣いのまま引き上げて来る中、エネイブルは戻ってきた時には全く息が乱れていなかったという。たくましい馬体と驚異の心肺機能を併せ持ったチャンピオンに脱帽だ。
1か月半に及んだクリンチャーの遠征の中で、どこをどうすればエネイブルに近い位置でゴールできていたかを考えているが、いい答えが見つからない。悔しいが、それほどの差があった。日本競馬のレベルをもっと上げないと、という大局的な話をしても仕方がない。自分にできるのは実地に即した対策だ。
渡仏から中2週でフォワ賞、更に中2週で凱旋門賞という日本馬の一般的な臨戦過程は果たして最適だったか?当然のようにシャンティイを調教場所に選んだが、他の選択肢もあったのではないか?傾斜のキツい坂路がある英国ニューマーケットや、日本からの輸送の便が良いドイツで調教して、レース前日にフランスに入る参戦パターンなども検討の価値はあるのでは、と感じている。(海外遠征コーディネーター・田中敬太)