【天皇賞】スワーヴリチャード完成形 陣営描けた理想的な上昇曲線
「天皇賞(秋)・G1」(28日、東京)
おぼろげに見つめる名月の名残を背景に、心地良くストライドを伸ばした。26日早朝6時過ぎ。スタンドにある温度計は、気温8度を知らせる。空気は冷たい。それでも、栗東CWで軽く調整して最終チェックを終えたスワーヴリチャードからは、闘う意志を示す熱が伝わってきた。適度な気合乗り。張りのある馬体。全てを含めたシルエットが、仕上がりの良さを伝えてくる。
「調整を重ねるごとに、良くなってきました。暑い時季よりも、今の季節の方がいいように思います」。そう言ってうなずいた庄野師は「骨格、筋肉などは完成に近い。ですがそれでもまだ、この先がある。そんな期待感を持たせてくれます」と続けた。与えたメニューをしっかりと消化して迎える秋初戦。理想的な上昇曲線を描けたのは、間違いない。
前日の計量で、馬体重は530キロを示した。「輸送をして510キロ台になるのかなと思っています。いつもと変わらない感じです」。送り出す師は、穏やかな表情で話す。自ら体をつくり、レースへ臨むスタンスは、これまでと変わらない。4枠5番から扉をこじ開け、大阪杯に続く喝采のゴールへ。今度は東都で王座に就く。