【ジャパンC】スワーヴリチャード真価証明だ 前走大敗も「ダメージ少ない」逆襲へ
「ジャパンC・G1」(25日、東京)
逆襲へ、態勢は着々と整いつつある。1番人気に推された天皇賞・秋で大敗に終わったスワーヴリチャードは、ゲートを丹念に練習するなど、中間は課題の克服に努めた。舞台はダービー2着以来となる府中の2400メートル戦。今度こそ自らの力を存分に発揮し、G1・2勝目をつかみ取る。
陣営はひたすら前向きだ。秋盾で1番人気の支持を集めながら、10着に大敗したスワーヴリチャード。出遅れて他馬と接触し、直線も伸び切れず馬群に沈んだが、庄野師は「反応できなかったね。ただ、ダメージは少なく帰ってこられた」と、キャリア初の2桁着順にも下を向いていない。「前回は走れていないので、中間はメンタル的なところも見ながらやってきた。体は締まったし、上積みはある」と名誉挽回に自信をのぞかせた。
大きな敗因の一つであるゲートについても、時間を費やして練習してきた。担当の久保淳助手は「もう3、4回は行っている。普段よりも多めかな」と中間の調整過程を説明。「座り込んだりするのは直った。ただ、出の速い遅いはセンスもあるから」。やれる事はやった。あとは馬自身の奮起を信じるだけだ。
大敗による精神面への影響を指摘する声もあるが、同助手は「メンタルのダメージはない。出遅れたのはこの馬が悪いだけ。性格的に変なところで落ち込むこともない」とキッパリ否定。「今回は前走よりももうひとつ張りが出てきた。毛ヅヤも馬体もいい。トモもふっくらとしてきた。心身ともに上向いている」と、前走以上の仕上がりを約束する。
指揮官は「何とか巻き返したいし、巻き返せるだけの力はあると思っている。このクラス、G1で、まだまだ強くなる馬と信じているので、頑張ってほしい」と言葉にも熱がこもった。成長力十分のハーツクライ産駒がG1・2勝目を達成し、自らの真価を証明する。