【ジャパンC】アーモンドアイ異次元レコード2分20秒6 国内最強馬へ駆け抜けた
「ジャパンC・G1」(25日、東京)
見てくれこの強さ、このタイム!断然人気に推された三冠牝馬アーモンドアイが、2分20秒6の驚異的なJRAレコードでV。とてつもないタイムで、12年ジェンティルドンナ以来、史上2頭目となる3歳牝馬Vの快挙を決めた。『3歳牝馬最強馬』から『国内現役最強馬』へと駆け上がった、ロードカナロア産駒の18年は5戦5勝で終了。来年は世界の頂点を目指す戦いに挑んでいく。
驚がくのレコードタイムが、その強さをさらに際立たせた。アーモンドアイが先頭でゴールラインを駆け抜けたあと、電光掲示板に映し出されたVタイムは『2分20秒6』。05年ジャパンCでアルカセットが記録した従来のJRAレコードを、何と1秒5も上回る異次元の数字だ。
恐らく芝2400メートル戦をこのタイムで駆け抜けた馬は、世界を見回してもいないだろう。それほどの信じられないような驚異的な時計を、世界が見つめる舞台で3歳牝馬がたたき出してみせた。
逃げたキセキが作り出したペースは前半3F35秒9。ここまではゆったりとした流れだったが、5F目からペースアップし、ラスト2F目まで11秒台の高速ラップが続いた。アーモンドアイはインの2番手を追走。ラスト1Fで悠々と馬体を並べ、ゴール前で一気に1馬身3/4差突き放した。紅一点が、国内外の並み居る年長牡馬を子ども扱いに。そしてこのタイム。全世界にその強さを発信してみせた。
この勝利でルメールはJRA・G1年間最多勝記録を8勝に更新。さらに、05年武豊(212勝)以来となる、史上2人目のJRA年間200勝に王手をかけた。勢いの止まらぬ鞍上は「ゲートをうまく出てくれて目の前を見た時にキセキがいた。スピードがある馬だし、ペースメーカーとして安心できた」と振り返る。
枠は最内1枠1番。馬群に包まれて勝負どころで身動きがとれなくなる可能性もあったが、スタート直後にあっさりと難関をクリア。「その後はいつものアーモンドアイだった。リズム良く追走できたし、私はただのパッセンジャー(乗客)だった」と笑顔を見せた。
「パーフェクトホース!どこからでもレースができるし、性格もいい。世界で対等に渡り合える能力がある」。フランス人の名手が“世界基準”にお墨付きを与えた最強牝馬は、来年秋の凱旋門賞挑戦も視野に入れる。まずは3月のドバイ国際競走をターゲットに据え、世界の頂点を目指す19年のワールドツアーがスタートする。