【有馬記念】オジュウチョウサン奮闘9着 武豊「やりたいレースはできた、感動した」
「有馬記念・G1」(23日、中山)
3番人気の3歳馬ブラストワンピースが力強く抜け出してV。多彩なメンバーがそろったグランプリを制し、待望のG1初制覇を飾った。鞍上の池添は単独トップとなる有馬4勝目。大竹師はうれしいG1初制覇となった。2着に1番人気レイデオロが入り、3着が9番人気のシュヴァルグラン。武豊騎乗で話題を集めた、“障害の絶対王者”オジュウチョウサンの果敢な挑戦は9着に終わった。
本来なら決して戦うことはなかったであろう、平地の超一流馬との大一番。それでも、決してひるむことはなかった。5番人気に推されたハードル界の絶対王者オジュウチョウサンは9着。歴史的な挑戦は実らなかったが、それでも中山競馬場を訪れた10万を越すファンは、勝ち馬にも劣らない拍手でその奮闘をたたえた。
スタートは抜群。外からキセキが主導権を主張すると、控えて2、3番手のインで脚をためた。4コーナーを回ると、鞍上の右ステッキに応えて最後の力を振り絞り前を追う。…しかし、急坂の途中で力尽きた。武豊は「やりたいレースはできた。馬場が悪いなかで走りにくそうだったけど、一生懸命走ってくれた。このメンバーに入って見せ場はつくってくれたし、4コーナーの走りは乗っていて感動した」とパートナーの走りを振り返る。
平地デビューも2連敗。障害に活路を求めたものの、いきなりしんがり負け。そんな厳しい立場から、まるで運命に導かれるように障害のトップに上り詰めた。有馬参戦をブチ上げると、平地条件戦を一気に2連勝。ファン投票3位に支持され、たどり着いた夢舞台だった。「結果は残念だが、きょうの走りでファンの応援に応えることはできたかな。彼が今年の有馬記念を盛り上げてくれた。ナイストライだった」。幾多の名勝負を演じてきた競馬界のレジェンドは「思い出に残る有馬記念だった」と満足そうだった。