【オークス】ラヴズオンリーユー無敗女王 M・デムーロはクラシック完全制覇
「オークス・G1」(19日、東京)
速い。そして強い。ラヴズオンリーユーが無傷の4連勝。レースレコードで樫の女王に輝いた。M・デムーロは史上10人目のクラシック完全制覇を達成。2着には12番人気のカレンブーケドール。2番人気のクロノジェネシスは桜花賞に続き、また3着に敗れた。
史上5頭目となる無敗の樫の女王が誕生した。ラヴズオンリーユーが4連勝。12年にジェンティルドンナがマークした2分23秒6のレースレコードを0秒8更新する高速時計でG1初制覇を成し遂げた。
大舞台でも強さは変わらなかった。中団で脚をためると、外へ持ち出した直線はグングン加速。ゴール寸前で先に抜け出したカレンブーケドールを首差とらえた。「前残りの馬場だし、届くかなと思ったけど、初めて本気を出してくれた。すごい瞬発力がある。素晴らしかった」。M・デムーロは満面の笑みで相棒をたたえた。
道のりは順風満帆ではなかった。デビューから2連勝後、描いていたプランが急転した。休養中に細菌が入って脚が腫れ、回復に手間取るアクシデント。急仕上げを承知でも忘れな草賞を選んだのはオークスを勝つためだった。大きな上積みを加えて臨んだ大一番をものにし、矢作師も「すごい馬だと改めて思った。感謝です」とホッとした表情を見せながら「春は間に合わないと思っていたので、今ここにいるのが夢のようです」と感慨深げにした。
優秀な遺伝子に成長力を足した勝利。「気持ちが強い。負けたくない馬。ボクと一緒」と主戦が笑う。トレーナーは管理した全兄でドバイターフを制したリアルスティールと比較し、「筋肉の柔らかさや落ち着きはこちらの方がかなり上。大きな夢を持っている」と器の大きさを強調した。
頼れる男がエンジン全開だ。今年はNHKマイルC制覇に続き、今度は史上10人目のクラシック完全制覇を達成したミルコ。「いい馬に乗って、いい騎乗をして、勝たせることがボクの仕事。ファンが買ってくれる馬券に応えたい。もっと勝ちたい。もっとうまくなりたい」とまだまだ満足はしていない。
勢いに乗る鞍上と樫の女王。最強タッグに矢作師が「海外に行ってみたい。世界を舞台に戦いたい」と夢を描く。速くて強いニューヒロイン。その快進撃はまだまだ続く。