【日本ダービー】角居師「運のある馬がダービーを勝つは言い得ている」

 「日本ダービー・G1」(26日、東京)

 令和初ダービー開幕を前に、デイリースポーツでは「Vのキーマン」と題して特別連載を開始。第1回はサートゥルナーリアを管理する角居勝彦調教師(55)=栗東=が、デイリースポーツ独占インタビューに応じ、来る大一番に向けて思いを語った。2016年に生産された7071頭の頂点、そして史上7頭目となる無敗2冠が懸かる一戦。皐月賞馬は果たして、どんなパフォーマンスを見せてくれるのか。

  ◇  ◇

 -3戦無敗で挑んだ皐月賞を振り返って。

 「その前(ホープフルS)の仕上げを見られていないので、どこまで仕上げたら走るという目安がなかったですからね。スタッフと相談しながらの仕上げでした」

 -中106日のVで、皐月賞の最長間隔勝利記録を大幅に更新した。

 「たっぷりと休養しているので疲れはないだろうと思っていました。ただ、競馬勘がどこまで戻っているだろうか、と。そこが心配でしたね」

 -デビューから馬なりで3連勝。初めてステッキが入って追われる形となった1冠目は、内にヨレて審議の対象となった。

 「はっきりとしたことは分からないけど、(少しの間)競馬をしていない分、直線でモタれたのかなと思います」

 -前走後は放牧を挟み、今月3日に栗東トレセンへ帰厩した。

 「放牧先でしっかり疲れを取ってくれたし、全体的なシルエットも変わらないですね。少し膨らんでいていい状態だと思います」

 -一度使った効果は?

 「どこが100かは分からないけど、休みが長い方が、上積みは大きい気がしますね」

 -ルメールの騎乗停止により、初騎乗のレーンとコンビを組む。

 「若いが、判断力に優れている。追えるし、うまいジョッキーという印象です」

 -師はダービー初挑戦の07年に牝馬ウオッカで勝っている。3歳馬が東京二四を勝つために必要なものは。

 「レースでは落ち着き、自在性が重要。あとはいかに体調がいいかに尽きます」

 -サートゥルナーリアの母シーザリオは、オークスを勝ったあと米国へ遠征。アメリカンオークスも制した。

 「開業(01年3月)から間もなくて訳の分からないなかオークスを勝って、アメリカンオークスまで勝って…。入厩当初から脚元に不安があったのでどこまで我慢できるか、壊さないように、という感じでした。どんどんレースのレベルが上がるので、そのあたりは心配でしたね」

 -繋靱帯炎のため早い時期での繁殖入りとなった。

 「当時は右も左も分からなかったから、もう少し走ってくれたらなぁ…なんて思いましたけど。牧場関係者からは“早くお母さんになった方がいい子を出す”という話も聞きますし、いいタイミングだったのかもしれません」

 -産駒には他にも13年菊花賞、14年ジャパンCを制したエピファネイア、15年朝日杯FS覇者リオンディーズが。きょうだいは掛かる面があったり、気性の難しい印象がある。

 「そうですね。でも、難しくて結果の出ない馬もいるなか、結果が出ているのだから、それほど難しくはないのかもしれません。もっと難しい馬はいますから」

 (続けて)

 「こんなに厩舎の看板を上げてくれる母親になるとは思わなかった。共通しているのは想定しているよりも結果がいいこと。不思議な血統です」

 -師にとってダービーとは。

 「馬にとっては一生に一回のチャンスですし、種馬になる資格も手に入れるレースです。枠も含めて、状態を良くするためには運も必要。ケガとかもありますからね。昔から“運のある馬がダービーを勝つ”と言われますが、言い得ているなと思います」

 -21年2月をもって調教師を引退すると表明。ダービーを勝つチャンスはあと2回。

 「本来なら先がない厩舎ですから。それでも大事な馬を預けてもらえるのは、ありがたい話です」

 -令和最初の祭典。

 「特に意識はしませんが、日本人ですからね(笑)」

 -皐月賞馬で挑むダービーは10年ヴィクトワールピサ(3着)以来。2冠に向けて抱負を。

 「G1を連勝しているし、負けていないこともあって、たくさんプレッシャーがある。力は持っている馬だと思いますから。結果を出したいですね」

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