力負けも…新たな扉開いたハッピーグリンの挑戦
「魁!海外馬券塾」(29日)
地方馬ハッピーグリンが挑んだチャンピオンズ&チャターC・香港G1当日は、未明から本降りの雨。前日までの馬場が、ハッピーグリン向きだっただけにこれは痛かった。
結果は勝ち馬エグザルタントから17馬身離された8着。服部茂騎手の「4コーナーではもう一杯だった」のコメント通り、力負けだろう。道中で一度も緩むことのない流れのなか、残り800メートルからさらに加速している。渋った馬場にもかかわらず、勝ち時計は過去10年で最速。例年はさほどレベルの高くないレースだが、今年は極めてハイレベルな争いだった。
地方馬が招待競走ではない海外G1に出走するという初のケースだったが、地方競馬全国協会からの遠征奨励金と、これまた初の試みだったクラウドファンディングによって集まった資金で、遠征経費の半分以上を充当することができた。
地方馬、そしてその関係者と一緒に仕事をさせていただく機会は今回が初めてだったが、競走馬に対する真摯(しんし)な姿勢や仕事の質において、JRAに劣る面は何一つないと感じた。ハッピーグリンの挑戦が地方馬でも積極的に海を渡る時代の幕開けだったと、のちに語られるようになればうれしい。(海外遠征コーディネーター・田中敬太)