【札幌2歳S】父子2代手掛ける今浪厩務員 サトノゴールドと黄金ロード第2章歩む
「札幌2歳S・G3」(31日、札幌)
新種牡馬ゴールドシップ産駒のサトノゴールドが、父が2着に敗れたG3で重賞初制覇を狙う。芦毛の6冠馬以上にヤンチャな面をのぞかせているが、ここに向けて併せ馬を主体にきっちり仕上げてきた。父も手掛けた今浪隆利厩務員(60)=栗東・須貝=はプレッシャーを感じつつも、ジュニアの活躍に期待を寄せている。
活躍馬が種牡馬となり、その産駒たちに新たな夢を描く-。13、14年の宝塚記念連覇など、G1・6勝を挙げてターフを去ったゴールドシップ。ジョッキーやスタッフを手こずらせるなど、気性の荒さで知られた芦毛馬は16年から種牡馬生活をスタートさせた。産駒初勝利は7月14日に新馬勝ちを決めたサトノゴールド。偉大な父に続いて2代目も手掛けるのは今浪厩務員だ。
「引退した時に“いつかはシップの子で1勝したい”って言っていたけど、それが初っぱなで夢がかなうなんて。産駒の初勝利だもん。すごいドラマ」と、うれしそうに愛馬を見つめる。26日には牧場へと足を運び、6冠馬との再会を楽しんだ。「元気やったよ。2歳の頃のシップはコイツよりもおとなしかったなぁ。共同通信杯ぐらいから変わったんだ。コイツは甘えん坊でまだ子ども。どういうふうに変わっていくのか。楽しみ」と目を細める。
今週挑むのは父が2着に敗れた札幌2歳Sだ。「横の馬にかみつくぐらいだからね。何本も併せ馬をして、やる気を出させてきたんだ。一回使って馬はしっかりとしてきたし、集中力も出てきた。でも、この血統は走ってみないと分からないから」。その闘争心が走る方へ向けば、父のリベンジを果たせそうだ。「すごいプレッシャー。シップを使う時よりもプレッシャーがかかります。重賞、G1を勝つっていうのも、またドラマやね」。血がつなげた人馬のストーリー。第2章は始まったばかりだ。(デイリースポーツ・井上達也)