「天皇賞（秋）・Ｇ１」（２７日、東京）

　Ｇ１馬１０頭が参戦する伝統の一戦。安田記念３着からの巻き返しを図るアーモンドアイは２３日、美浦Ｗでルメールを背に余裕の先着を果たした。

　最後に軽く喝を食らわせた。アーモンドアイは美浦Ｗで３頭併せ。先行するノチェブランカ（４歳３勝クラス）、サトノラディウス（３歳２勝クラス）を馬なりのまま直線で楽々ととらえる。抜け出しを図ったところで右肩にムチが入ると、もうひと伸び。６Ｆ６５秒８－３７秒２－１２秒４。弾むようなフットワークで余裕の最先着を果たした。

　感触を確かめたルメールは「楽に併せていたが、最後は少しリラックスし過ぎていた。ズブかったわけじゃないよ」と、１週前に乗って把握し切れていなかったわずかな仕上がりの加減を、このステッキ一発でつかみ切った。「休み明けだが、すごくいい競馬ができるね。状態のキャリアハイは昨年のジャパンＣ。それに比べて８０％くらいだね」。先を見据えた仕上がりとはいえ、相棒の地力を信頼すれば勝算は十分ある。

　Ｇ１馬１０頭がそろった史上まれにみる好メンバー。「日本でアーモンドアイが一番強い。３歳馬だけが初対戦だが、アーモンドアイが一番強い」。サートゥルナーリアの背中も知った鞍上は「一番強い」と２度繰り返して強調した。国枝師も「まだ戦っていないサートゥルナーリアは注目しなければならないだろう」と気にしながら、「（ルメールには）忖度（そんたく）して何も聞いてないよ」と笑い飛ばした。

　新興勢力を含めて、まだまだ主役の座を譲るつもりはない。前走の安田記念で３着に敗れた借りを返し、現役最強馬が秋初戦から貫禄を示す。