「有馬記念・Ｇ１」（２２日、中山）

　まさに全身がバネ。雄大な馬体が繰り出すダイナミックなフォーム。サートゥルナーリアが１８日、絶品の動きで仕上がりの良さを誇示した。

　圧巻の加速力だ。前半をゆっくりと入った栗東坂路の単走追い。２Ｆ通過ラップの１４秒８－１３秒３から一気にシフトチェンジすると、ほぼ馬なりで自らハミをかんで“緩”から“急”へ。１１秒９－１２秒１と、うなるように駆け上がり、４Ｆ５２秒１－３７秒３－１２秒１の好時計だ。またがった小滝助手も「全体（の時計）を出そうと。無理して出しているわけじゃないし、相変わらずいい動きをする。天皇賞・秋よりも断然いい」と声を弾ませた。

　皐月賞をレース史上最長間隔となる中１０６日で制したほどの実力馬。ダービー４着、天皇賞・秋も６着とＧ１で期待を裏切ったが、角居師の信頼は厚い。「乗り手の指示を聞けるのが一番。能力は高いと思っているし、素質も感じているので」と、思いは揺るがない。前走の敗因も把握済み。イレ込みがクローズアップされるが、「あれでテンションが高いと言われるなら、ウチの馬は大半がそうですよ」と師は否定。レース内容に言及し、「アーモンドアイを負かすために、押して出した分、（ハミを）かんだ。（スミヨンも）癖を分かってくれているので、今度は違った結果になればと思う」と反撃を期待する。

　舞台はＧ１・２勝の中山。距離も全く心配していない。「もともと折り合いが上手な馬。こなせる距離だと思う。有馬記念にふさわしい状態で出られますから」。２度続けて負けない馬だ。復権の準備は整った。