【ホープフルS】ブラックホール 豪快Vだ 偉大な父・ゴールドシップへ“勲章”を

 「ホープフルS・G1」(28日、中山)

 今年最後のJRA・G1。札幌2歳Sの覇者ブラックホールが大トリVを狙う。父は13、14年の宝塚記念連覇などG1・6勝の名馬ゴールドシップ。父譲りの力強い末脚でG1初制覇を狙う。また、鞍上の石川裕紀人騎手(24)=美浦・相沢=にとっては、所属厩舎の馬で臨む大一番。中間も付きっきりで調教をつけるなど、この一戦に懸ける思いは強い。

 父にデッカい勲章を-。ゴールドシップの初年度産駒ブラックホールは、札幌2歳Sを快勝。父の産駒として初めて、JRA重賞制覇を飾った。

 芦毛の父とは毛色こそ違うが、主戦の石川は「ゴーサインを出してからの反応が鈍いあたり、ゴールドシップの子という感じ。競馬っぷりも似ていますよね。根性があってスタミナがあるし、エンジンがかかってから長く脚を使える」と、父から受け継いだパワフルな走りに目を細める。

 北海道シリーズで3戦した後、放牧で成長を促した。美浦で本格的に調整するのは今回が初めてとなるが、落ち着きがあり、前走時以上とも言える好気配を漂わせている。火曜朝は美浦坂路を4F63秒8で駆け上がった。中間も付きっきりでケイコをつけている石川は「そこまで間隔があいていないので、明らかな成長はないけど、変わらず雰囲気はいい」と好感触を伝えた。

 石川&相沢師の師弟“年男”コンビは今年、前記札幌2歳SとスプリングS(エメラルファイト)で重賞2勝と好調だ。所属厩舎の馬で挑戦するG1へ向け、鞍上は「そこは気持ちが入る」と自然と力が込もる。

 無敗馬が注目を集めているが、気後れはない。「ここもチャンス。札幌を勝っているので、(初の)中山も心配ない。相手は強くなるけど、この馬もクラシックで戦える馬だと思っているので」と燃えている。来年、世代の頂点を目指すためにも、ここで足踏みするわけにはいかない。父が皐月賞を制した舞台で、豪快な一撃を繰り出す。

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