【POG】3歳馬総括サンクテュエール&スマイルカナ、ディープ産駒が連日重賞V
3日連続開催となった中山、京都では12日の「シンザン記念・G3」(京都、芝1600m)は2番人気の牝馬、サンクテュエール(美浦・藤沢和)が、13日の「フェアリーステークス・G3」(中山、芝1600m)は3番人気スマイルカナ(美浦・高橋祥)がともに初の重賞勝ち。ディープインパクト産駒が2日連続で3歳重賞を制した。また、11日に行われた1勝クラスの「朱竹賞」は、5番人気のシオミチクレバ(栗東・牧浦)が、12日の1勝クラスの「黒竹賞」は9番人気のデルマオニキス(美浦・勢司)が勝った。
12日の「シンザン記念」は京都11Rに10頭で争われ、好位を進んだサンクテュエールがV。5番人気プリンスリターン(2着)とのたたき合いの末、ゴール前で首差とらえ、鮮やかに重賞初制覇を飾った。勝ちタイムは1分35秒9。ルメールは「能力があります」と笑顔で振り返り、「前走はペースが遅くて掛かったけど、今回はちょうどいいペース。スタートの遅れはちょっとビックリしたけど、逃げ馬の後ろで冷静に走れた。最後もいい脚を使った」と満足げだった。目標は桜花賞となるが、「藤沢和厩舎の馬はだんだん良くなるので。この馬もハイレベルだし、G1に行ける」と胸を張る。2年前にアーモンドアイがステップにした登竜門を制し、桜の主役候補へと急浮上した。(採点・★★★★☆)
13日の「フェアリーS」は中山11Rに16頭で争われ、スマイルカナが1分34秒0のタイムで逃げ切りV。好スタートから最初の1Fも行かないうちに2馬身近くリードを奪うと、道中は後続に1馬身差をつけながら軽快に飛ばす。直線の坂を上がっても脚色は衰えず、さらに後続を引き離し、2馬身半差をつける完勝劇で、重賞初制覇を飾った。柴田大は「馬の力を信じて乗って良かったです」と満面の笑みで振り返った。通算成績を4戦3勝とした相棒に「身体能力が高く、気持ちが前向き」と評価しながらも「テンションが高くなりがちなので、そこをどう抑えていくかですね」と、今後に向けて課題を挙げた。高橋祥師にとってのJRA重賞制覇は、03年根岸Sのサウスヴィグラス以来17年ぶりで10勝目。「1枠って聞いた瞬間、神のお告げかと思った」と、逃げ馬にはおあつらえ向きの枠を手にして期待も大きかった。装鞍所で落ち着いていたことから柴田大とは「逃げても大丈夫じゃないか」と話していたが、思い描いた通りのレース運びで、最高の結果を出した。今後はタイトルホルダーとして桜花賞(4月12日・阪神、芝1600m)へ堂々と向かう。(採点・★★★★☆)
11日の中山9R・朱竹賞(中山、芝1200m)はシオミチクレバが後続に2馬身半差をつけ快勝。好位馬群の追走から直線でスパッと抜け出し、これで6F転じて2連勝とした。勝ちタイムは1分9秒1。田辺は「スタートが上手。ポジションを楽に取れれば行って、主張されるようなら行かせるというプラン。その形にうまく対応してくれたね」と満足そう。牧浦師は「現状、千二くらいがいいのかもしれないが、距離を延ばせるようなら」と今後に期待していた (採点・★★★☆☆)
12日の中山9R・黒竹賞(中山、ダート1800m)は、デルマオニキスが鮮烈な末脚を放ってV。昨夏の札幌以来となる一戦を勝利した。道中は最後方で構えて、勝負どころで内から勢い良く進出。直線でもそのままインを突いて前へと迫り、押し切りを図る2番人気ショウナンマリオ(2着)を並ぶ間もなくかわして1馬身半差をつけた。勝ちタイムは1分54秒3。この勝利で日曜は3戦3勝と大活躍の横山和は「直線で再加速したように勝負根性がある。残り800mの競馬をした方が、集中力も保てると思っていた」と、してやったりの表情。勢司師は「みんな早仕掛けになって一番いい位置になりましたね。まだまだ良くなる馬で大事に育てたい」と今後に期待を寄せた。(採点・★★★☆☆)