【フラワーC】伏兵アブレイズがV 苦労人・藤井勘、好プレー!人馬とも重賞初制覇

 先行して押し切ったアブレイズ(左)
2枚

 「フラワーC・G3」(20日、中山)

 12番人気のアブレイズが2番手から早めに抜け出し、デビューから2連勝で重賞初制覇。コンビを組む藤井勘一郎騎手(36)=栗東・フリー=は、JRAでのうれしい初タイトルを手にした。

 好スタートを決めて果敢に先行し、直線に入ると逃げたナリノクリスティーを早々にかわして先頭に立った。藤井勘が左ステッキ連打で相棒を叱咤し、最後は外から迫ったレッドルレーヴを封じ込めた。15歳で単身オーストラリアへ渡り、13カ国で騎乗し、各国で重賞を獲得してきた。6度目の挑戦で19年度のJRA騎手試験に合格。14回目の騎乗で待望の“母国”での重賞Vを達成した。「36歳でこのような舞台でチャンスを頂き、結果を出せたことは素晴らしい。自信になります」と声を弾ませた。

 15年連続のJRA重賞勝ちで、通算80勝目を挙げた池江師にとっても感慨深い勝利となった。アブレイズの3代母リリオを、調教助手時代に米ケンタッキーのセリで購入。「25年ぐらい前に前田幸治オーナーに買ってもらったんですが“調教師になったら、この馬の子どもや孫を管理しないと駄目だぞ”と言われたんです。まさにブラッドスポーツの醍醐味(だいごみ)ですね。すごくうれしいです」と相好を崩した。今後はオーナーサイドの意向で、桜花賞(4月12日・阪神)からオークス(5月24日・東京)への路線を歩む。まだ底を見せていない素質馬が、クラシック戦線に殴り込みをかける。

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