【日本ダービー】福永、コントレイル無敗2冠へ「疑う余地ない」15年ぶり快挙へ導く
「日本ダービー・G1」(31日、東京)
無敗の皐月賞馬コントレイルとのコンビで、18年ワグネリアン以来、自身2度目のダービー制覇を目指す福永祐一騎手(43)=栗東・フリー。前走は不利な最内枠、想定外の展開をはねのけて勝利をつかんだことで、能力を再認識。父ディープインパクト以来、15年ぶり史上7頭目の無敗2冠を狙う相棒をどう思い、どう導くのか。胸の内を聞いた。
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-自身のクラシック完全制覇となった前走の皐月賞を振り返って。
「ポジションは想定していたよりも後ろになったけど、外を回る競馬はある程度は考えていた。それに馬場が緩かったので、3コーナーでは外に出したいと。その形には持って行くことができたし、いい脚を使ってくれた」
-結果は半馬身差でも、サリオスには力の違いを見せる内容になった。
「ただ、相手はタフな内の馬場を通っていたからね。簡単に突き放せなかったわけだし、さすがG1ホースという印象だった。ただ、コントレイルにとって、あの形の競馬はこれまでになかったこと。今までとは違うスタイルで勝てたのは大きい」
-自在性を身につけたということか。
「距離の選択肢は確実に広がった。ダービーどころか、菊花賞まで意識できるようになった。ホープフルSの時は体のバランスがまだまだだったが、そこからの成長が大きかった。僕が思う修正点を牧場と厩舎が連携して直してくれた。いいフォームで走ると、いい筋肉もついてくる」
-より信頼できるパートナーとなった。
「2戦目以外は全てコンビを組ませてもらっているので、こちらが迷うことがない。パドック、返し馬、精神面。全部分かっている。ほぼ、直すところはなく、課題もない。だから不安はない。ずっと乗せてもらっているので疑う余地がない」
-チャンピオンとしてダービーを迎える。
「立場はそう。ここは何かを試す舞台でもないし、結果を出すためにベストの選択をするだけ」
-18年ワグネリアン以来、自身2勝目が懸かる。
「一度勝っているのは気持ち的に大きい。ユタカさん(武豊騎手)が『ダービーを獲ったら、この馬にダービーを獲らせてくれ、という依頼が来るぞ』って言われたけれど、本当にそう。勝ったという経験があるのは全然違う」
-20年のダービーは戦後初の無観客。
「皐月賞でも感じたが、口取り写真はないし、オーナーと競馬場で勝利の喜びを分かち合うこともできなかった。理解されているとは思うが、現地で観戦できないオーナーのことは気の毒に感じる」
-ファンは画面越しで応援している。
「無敗馬ということで、より注目を集めるのも確か。こういう時だからこそ明るい話題を提供したい。強い馬がいい走りをしても、競馬場で見てくれるファンがいないのは寂しい。それでも、応援してくれるファンを興奮させるレースをしたいね」