82歳タグ師のベルモントS初制覇なるか
「魁!海外馬券塾」(17日)
例年は米国三冠の最終戦として行われるベルモントSが、今年は三冠初戦となり、距離も2400メートルから1800メートルに変更して、20日に開催される。前走のフロリダダービーを好位から難なく抜け出し、2歳時のシャンペンSに続くG1・2勝目を挙げたティズザローが断然の存在だ。
管理するB・タグ調教師はベルモントSに苦い記憶がある。03年にケンタッキーダービーとプリークネスSを勝ったファニーサイドで三冠に挑んだが、ゴール寸前で逆転を許し、3着に敗れたのだ。管理頭数のさほど多くないタグ師が、ベルモントSに出走馬を送る機会は少なく、ファニーサイド以降では今年のティズザローが2頭目の参戦となる。
ニューヨーク州産馬を主に預かるのが師の方針で、厩舎には「史上初のニューヨーク州産のケンタッキーダービー優勝馬ファニーサイド」と書かれた看板が、誇らしげに立てられている。ティズザローもまたニューヨーク州産まれ。ベルモントパーク競馬場のゴール板から最も近い位置に厩舎を構え、誰よりも長くニューヨークの競馬を支えてきた82歳の調教師に、ベルモントS初制覇の歓喜が訪れることを願っている。
(海外遠征コーディネーター・田中敬太)