【七夕賞】クレッシェンドラヴが重賞2勝目 内田博、2週連続重賞制覇「あと20年は」
「七夕賞・G3」(12日、福島)
後方からの競馬になった3番人気のクレッシェンドラヴが、最後の直線で内から伸びて差し切りV。昨年11月の福島記念以来となる重賞2勝目を挙げ、福島巧者ぶりを発揮した。内田博幸騎手(49)=美浦・フリー=は先週のラジオNIKKEI賞(バビット)に続き、2週連続の重賞制覇。
夏の福島開催は雨続きで1日も良馬場がない。しかし、荒れて重くなった馬場も何のその、福島巧者のクレッシェンドラヴには全く関係なかった。
スタート後は思ったほど進まず、後方5番手を追走。徐々にポジションを上げ、直線入り口で先行勢を射程圏内に入れた。ここから内田博は外を回らず、パッシングスルーを内からかわして先頭に躍り出る。ゴール前も鞍上の左ムチにこたえて、後続に1馬身差をつけてゴールを駆け抜けた。これで福島では〈2・3・0・0〉と連対率100%。相性の良さを存分に見せつけた。
内田博は「馬場はこなしてくれると思っていた。思ったより前に行けなかったが、少しでも馬場のいいところを走らせた。今回は57キロのハンデを背負っていたことを考えれば、堂々としたレース内容だったと思う」とパートナーをたたえた。代々騎乗で制した先週のラジオNIKKEI賞に続き、2週連続の重賞V。「年配のジョッキーが勝っても、たまにはいいでしょう。まだあと20年はいくよ」と少年のように無邪気に笑う。今月26日には大台の50歳を迎えるベテランは意気盛んだ。
林師も「6カ月の休み明けで強いレースができた。精神的にも成長している。これからもっと強くなってくる」と目を細める。今後については「オーナーサイドと相談しますが、選択肢が増えたことは間違いない。もう一段階上を考えています」とさらなる活躍を描く。昨年末の有馬記念は賞金出走順で次位となりゲートインできなかったが、秋にはいよいよ大きな舞台が視野に入ってきた。