【ボート】平山智加、母は強し 産休前よりパワーUP「いつも通りに走り結果に」

 真夏の女子の祭典、プレミアムG1・レディースチャンピオンがいよいよ開幕目前だ。今年はボートレース多摩川(東京・府中市)を舞台に、8月5~10日の6日間で開催される。今、女子レース界を引っ張っているのが産休を終え、復帰後に各地でVラッシュの“ママさん”レーサー・平山智加(35)=香川・98期・A1。タイトル奪取の抱負を聞いた。

 平山といえば、13年1月に尼崎で行われたG1・近松賞(現・センプルカップ)での優勝を語らずにはいられない。男子のSGレーサーを相手に優勝戦1号艇をゲット。プレッシャーの中、しっかりと逃げ切り女子レーサーとしては2人目となる男女混合でのG1優勝の快挙を成し遂げた。

 私生活では08年に同県、同支部の先輩・福田雅一と結婚。結婚後は2人の子供に恵まれ、2度の産休を経験したが、復帰後の活躍には誰もが驚いた。最初の産休明けは2節目に早くもV。19年5月に2回目の産休明けからは本格的に始動。現在29節走って15優出し優勝はなんと7回。ブランクを感じさせないどころか、出産前よりもさらに強さを見せている。

 そんな彼女だが、やはり復帰には「不安しかなかった。一人でターンしていても体力や筋力が落ちていて思うようなレースや調整ができない」と戸惑いもあった。しかし「回数を重ねるごとに少しずつつかんできた。復帰後初優勝(19年7月、宮島)したのも、失敗を次に生かせたからできたと思う。産休中も考える時間があったので自分を振り返り、休みが自分を見つめ直すいい時間になった」と常に向上心を持って戦うからこそ結果を出せたに違いない。

 ママさんレーサーとしても忙しい日々だ。「一気に子供が2人で家では休む暇がないです」と家事、育児に追われている。ただ、「子供には寂しい思いもさせているし、家にいる時はできる限りの愛情をつぎ込んでいます。もちろん家族の協力がなければできない。夫はレーサーなのですごく分かってくれている。とにかく家族を思えば、ケガも事故もできない。毎節その気持ちを強く持って走っています」。これがママさんレーサーとしても大活躍できる秘訣(ひけつ)なのだろう。

 産休後初のG1・レディースチャンピオンが迫ってきた。同大会はこれまで4優出を果たすも2・3・3・3着と優勝までは届いていない。「取れそうで取れてないし悔しいレースが続いていた。でも最近はペラ調整も当たっているし、久しぶりのG1。いつも通りに走り結果につなげたい」と4年ぶりの出場となるレディースチャンピオンを楽しみにしている。

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