【スプリンターズS】レッドアンシェル、いざ真の短距離王へ 庄野師「楽しみ」

 「スプリンターズS・G1」(10月4日、中山)

 北九州記念を制し、サマースプリントシリーズ王者に輝いたレッドアンシェル。上半期の2戦は2桁着順と低迷したが、前走は初めて装着したブリンカーが効果てきめん。本来の輝きを取り戻した。勢いに乗る“夏の”短距離王が、悲願タイトル奪取で正真正銘の短距離王に輝く。

 充実一途だ。北九州記念を制し、サマースプリントシリーズ王者に輝いたレッドアンシェルが、今度はG1タイトル奪取に狙いを定めた。

 前走後は短期放牧を挟み、ここを目標に調整は順調そのもの。29日朝も栗東坂路で4F64秒7と活気十分の姿を見せた。庄野師は「元気いっぱい。あまり詰めて使ったことのない馬だし、間隔をあけながらいきたいと思っていた。予定通りだね」と納得の表情でうなずいた。

 今年の上半期はシルクロードS18着、京王杯SC11着と立て続けに完敗。それでも、2走前のCBC賞で3着と復調の兆しを見せると、初めてブリンカーを装着して臨んだ前走で、鮮やかな復活劇を披露した。「久々にアンシェルらしいレースができた。ブリンカーの効果も間違いなくあったと思う。馬も大人になって、がむしゃらさがなくなっていたので」と、本来の走りを取り戻した愛馬の姿を喜んだ。

 2年分の思いとともに、いざ決戦の舞台へ。「去年は脚元の不安があって回避した。今年は順調に使える。楽しみですね」と指揮官。G1挑戦は3歳時のNHKマイルC4着以来、実に3年5カ月ぶり。念願の大一番挑戦に向けて、自然と気持ちも高ぶる。

 担当の久保智助手も「速い流れも輸送も前走で経験したし、展開、馬場も問わない。この馬自身に何の心配もないのがいいですね。何とか獲りたいです」とG1初Vに意欲。昨年はサマースプリントシリーズ王者のタワーオブロンドンが、史上初めて本番も制した。新コンビのM・デムーロとともに、狙うはその再現。悲願成就で真の短距離王に君臨する。

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