【競輪】脇本、圧巻のG1V5 新田寄せ付けず「GPに向けて弾みも付いた」
「寛仁親王牌・G1」(18日、前橋)
脇本雄太(31)=福井・94期・SS=が主導権を奪い、そのままライバルの反撃を許さずに押し切って快勝。今年2回目、通算では5回目となるG1制覇を成し遂げ、優勝賞金2940万円(副賞含む)を手にした。2着に新田祐大が入り、東京五輪代表の2人でワンツー決着。脇本の番手だった東口善朋が3着に入った。
圧巻の走りで2年ぶりに寛仁親王牌を制した脇本。「先行にこだわっていた。自分でも逃げ切りで優勝はうれしいし、グランプリ(12月30日・平塚)に向けて弾みも付いたと思う」と結果、内容ともに申し分のない優勝を喜んだ。
「前受けは嫌だったので、けん制をした。思っていたよりも恵まれた位置になった」と初手は6番手。青板周回で8番手となったが、赤板ホームで上昇を開始。「山田さんが動いた時点では動きたくなかったので、新田さんを注意していた。そこには負けないように」と同じ五輪代表のライバルを意識しながら加速。「踏みだしで新田さんよりも前になって自信になった。2周踏めると思った」と圧倒的なスピードで前団に出ると、ハイスピードを維持したままゴールを駆け抜けた。
4着に敗れた2日目12Rのローズカップでは「単騎なのもあったけど、組み立てが下手。反省を生かしつつ臨んだ。オッズで人気だったし、必死に応えるつもりだった」と圧逃ショーでファンの支持に応えた。
ナショナルチームで活動する脇本にとって今年最大の目標だった東京五輪が延期。それでも「今年はグランプリを優勝するために戦いを挑んでいる」と照準は既に年末の大一番に合わせている。今年、ファンの前で走るのはG1・競輪祭(11月18~23日・小倉)とグランプリのみ。「数は少ないけど、一戦一戦自分らしい走りでアピールをして競輪を盛り上げたい」。来年は世界一を狙う脇本。今年は競輪界の頂点を目指して残り2開催も会心の走りを披露する。