【ジャパンC】アーモンドアイ、万感のラストランへ 国枝師「いつも通り。問題ない」
「ジャパンC・G1」(29日、東京)
世紀のドリームマッチまであと1日。三冠馬3頭がそれぞれ、決戦に向けて軽めの調整を行った。
もうその勇姿を、この場所で見ることはできない。17年5月24日の初入厩以来、レースに向けて仕上げを行ってきた美浦トレセン-。今回を最後に引退するアーモンドアイが27日朝、文字通りの最終調整に臨んだ。
時折、細かい雨粒が舞う中、堂々とした歩みで馬場入り。2つの角馬場で入念にウオーミングアップを施し、息を整えてから、美浦南Aに移ると1F16~17秒台の軽快なフットワークで1周半。最後はゲート内の駐立を確認した。
ケイコを終えると、各調教所に別れを惜しみつつ引き揚げてきた…などと書いては大げさだろうか。無論、スターホースがどんな思いだったかを知るよしもないが、少なくとも長らく取材してきた記者たちに感傷的な気持ちが芽生えたのは当然だろう。さようなら、アーモンドアイ-。あちこちで掲げられたスマホからシャッター音が鳴った。
指揮官も感慨深げだ。8冠馬の様子をじっくりと見届けた国枝師は「いつも通り。問題ないよ」と淡々とした口ぶりだったが、「これで最後。もう馬場に入ることはない。だから、みんなの顔を見ることもないよ」と報道陣を見渡して目を細めた。
さあ、紡いできた物語もいよいよ最終章。28日に東京競馬場へと移動し、決戦に備える。「前回のように落ち着いて臨めれば。あとはルメさんが一番分かっているから」。ともに伝説をつくったルメールを背に迎える万感のラストラン。最後は9冠馬として夕暮れの府中に立つつもりだ。