「ジャパンＣ・Ｇ１」（２９日、東京）

　やはり最強女王アーモンドアイは強かった。それでも、無敗の三冠馬２頭も意地を見せた。デアリングタクトは、最後の直線で苦しくなりながらも３着を確保。またコントレイルは中団から最速上がりで追い込み２着。デビューからの連勝は７で止まったものの、改めて能力の高さを示した。この２頭がアーモンドアイからバトンを引き継ぎ、これからの日本競馬をけん引していく。

　底力は見せた。３番人気のデアリングタクトは、最後まで諦めない末脚を披露して３着。古馬との初対戦、さらに牡馬と戦うのも昨年１１月のデビュー戦以来だったが、２着コントレイルとは同タイム。初黒星を喫したとはいえ奮闘した。

　道中は勝ったアーモンドアイを見ながら中団の７番手を追走。４角で外へ出し、これからという時に、コントレイルに押し込められ、内へ大きくヨレてしまった。松山は「折り合いはついて、道中はいいポジションで競馬ができた。でも、最後は内へ内へとモタれてしまった。苦しかったのかな」と振り返る。ただ、そこからの根性が見事だった。鞍上の左ステッキに応えて必死に脚を伸ばし、ゴール寸前でカレンブーケドールをかわした。

　杉山晴師は「メンバーがメンバーだけに、いつもよりワンテンポ、早く追いだした。初めて勝負をしに行って、最後は苦しくなって内へモタれてしまった」と分析する。世代、性別を超えた世紀の一戦。３歳牝馬として奮闘はしたものの、課題の残るレースとなった。トレーナーは「今後は真っすぐ走れるように、馬としっかり向き合って修正していきたいと思います」と前を見据えた。

　アーモンドアイとコントレイルには敗れたが、史上初の無敗三冠牝馬として存在感は示した。まだまだ伸び盛りの３歳馬。今後については未定だが、この敗戦が糧となり、ひと回り大きく成長した姿を見せてくれるに違いない。