【チャンピオンズC】チュウワウィザードJRA・G1初V“打倒クリソ”の執念実った

 直線力強く抜け出したチュウワウィザード(右)
 堂々とした姿のチュウワウィザード
2枚

 「チャンピオンズC・G1」(6日、中京)

 4番人気のチュウワウィザードが直線で力強く抜け出し、JRA・G1初制覇を成し遂げた。

 絶好の舞台で雪辱を果たした。チュウワウィザードが念願の中央でのG1タイトルを手にした。道中は中団を追走。圧倒的1番人気のクリソベリルを目標にしながら、じっくりと脚をためた。直線に入ると手応えが怪しくなったライバルを楽々とかわして先頭へ。最後は追い上げるゴールドドリームに2馬身半差をつける完勝劇だった。

 見事にエスコートした戸崎圭は18年皐月賞のエポカドーロ以来、2年8カ月ぶりのJRA・G1制覇。「戦前に先生(大久保師)と話して作戦はペース次第で決めてほしいと。(クリソベリルを)前に置く形でいい展開になりました。直線を向くまではついて行けばいいな、と思っていましたが、並ぶ間もなく抜け出せましたね」と笑みを浮かべた。

 過去クリソベリルと3度対戦。国内無敗だった絶対王者に19年のチャンピオンズC(4着)、20年の帝王賞(3着)、JBCクラシック(3着)といずれも完敗だった。負けることで生み出したのはマークする作戦。それが奏功した格好だ。

 大久保師は思い通りの内容に納得の様子だった。「いつも負けている相手でした。だから勝つためにどうすればいいかと考えました。それでクリソのマークを指示しましたが、忠実に実行してくれましたね。ウィザード自身もすごく調子が良く、勝つなら今回しかないと。馬も応えてくれました」と人馬をたたえた。

 今春は川崎記念を勝ち、ドバイワールドC挑戦を計画したが、コロナ禍で白紙に。だが、この勝利でサウジアラビアで行われるサウジC(2月20日・キングアブドゥルアジーズ)の優先出走権を手にした。指揮官は「リベンジというわけではないですが、そのドバイを含め、サウジ、川崎記念と、馬の状態を見て考えていきたいと思います」と先を見据えた。

 難敵を下し、新たな勲章を手にしたチュウワウィザード。21年は国内外で存在感を見せつける。

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