【有馬記念】フィエールマン 動き抜群上昇ムード! 状態、ローテ全て前年以上
「有馬記念・G1」(27日、中山)
課題を修正しつつ、さすがのフットワークを披露した。フィエールマンは嶋田(レースはルメール)を背に美浦Wで単走。折り合いを欠く場面があった16日の1週前追い切りから一転、鞍上との呼吸をピタリと合わせて軽やかに走り抜けた。
発進からスムーズに加速。先週のように気持ちが入り過ぎることもない。直線に入ると重心を沈ませ、伸びやかなストライドを繰り出した。5F68秒0-39秒3-12秒7。手塚師も「あの動きを見て、不満がある人はいないでしょう。単走で気分良く走れたし、手綱を持ち替えた時の反応も良かった」と満足げな表情を浮かべた。
調教を任せられている嶋田も胸をなで下ろす。「併せ馬をすると行きたがるから単走でやりました。その分、自分のリズムで走れていましたね。直線は馬なりでしたけど、スピード感があったし、状態は申し分ないと思います」と出来に太鼓判を押した。
前走の天皇賞・秋は先に抜け出したアーモンドアイを猛追。メンバー最速の上がり3F32秒7の豪脚を繰り出し、半馬身差の2着力走で改めて現役トップクラスの実力を証明した。指揮官は「中間に若干疲れは出たけど、有馬記念には間に合うとオーナーと話し合って参戦を決めました。先週木曜に量った馬体重は491キロ(前走時478キロ)なので、多少はプラス体重で出られるのでは」と激戦後の反動なしを強調する。
4着だった昨年から2年連続参戦。トレーナーは言い切る。「去年は海外の凱旋門賞(12着)でコテンパンにやられて、精神状態を心配しながらの調整だった。今年は早めに目標を定めていた分、臨戦過程は数段いい」。状態面、ローテと全てにおいて前年以上と言っていいだろう。牝馬が大活躍した20年のG1戦線だが、締めは牡馬の総大将が存在感を示す。