【POG】ダノンザキッドが1週前追いで上々の動き(栗東発)
競馬新聞「馬サブロー」が誇るPOGマスター、塩手智彦(栗東)と木村拓人(美浦)がお送りするPOG情報。東西のトレセンでつかんだ情報をお伝えします。
20日阪神のつばき賞(芝1800m)でしんがり一気を決めたヴィゴーレ(牡、松永幹)。昨年8月の札幌未勝利戦を勝った後はずっと強い相手と戦ってきた経験値がここで生きた。レース前に2週続けて古馬OPの僚馬の胸を借りてハード追いを敢行。前走比12キロ増もほとんどが成長分で、馬体の張りがさらに良くなっていた。レースを振り返って、師は「うまく内があいてくれたし、展開もはまった」と冷静に分析。自身最速の上がり3F33秒4で突き抜けた勝ちっぷりはパワーアップを十分に感じさせる内容だった。次走については「スプリングS(3月21日、中山・芝1800m)を視野に入れながら」とコメントした。
昨年の朝日杯FSを制したグレナディアガーズ(牡、中内田)が24日に帰厩した。始動予定のファルコンS(3月20日、中京・芝1400m)へ向けて調整が進められる。同レースにはシンザン記念15着のロードマックス(牡、藤原英)も予定している。
ホープフルS覇者のダノンザキッド(牡、安田隆)が始動戦の弥生賞ディープインパクト記念(3月7日、中山・芝2000m)へ向けて、着々と調子を上げてきた。1週前の24日は川田を背に栗東CWで僚馬エスト(5歳3勝クラス)と併せ馬。6F地点で0秒3追走。残り3Fで馬体を並べ、最後は約6馬身半先着。6F81秒0-38秒6ー11秒9をマークした。師は「まだ緩さが目立つなかでもいい動きだった。時計的にも十分だね」と納得の表情。長距離輸送や距離に関しても、同じ舞台でG1制覇を決めており全く心配がない。「若葉S(3月20日、阪神・芝2000m)も選択肢に入っていたが、使うとテンションが上がりやすいタイプで、レース後に放牧を挟んでG1戦線へ向かえる弥生賞の方がいいと判断した」と始動戦に決めた理由を説明。「ポテンシャルは高い馬。ここもきっちりとクリアしてほしい」と期待を寄せた。
14日の共同通信杯(東京、芝1800m)で5着のステラヴェローチェ(牡、須貝)は3月上旬に帰厩をする予定。前走について、師は「直線で包まれた。クイーンCのククナと同じような感じになってしまった」と力負けの敗戦ではないと説明。今後は皐月賞(4月18日、中山・芝2000m)を視野に入れながら、調整を進めていく。
昨年12月の2歳500万下(芝1800m)を勝ったエンスージアズム(牝、安田翔)はフラワーC(3月20日、中山・芝1800m)へ向けて、24日に栗東へ入厩した。「ピリピリしやすいタイプ。(放牧で)いいガス抜きができた」と予定通りの調整過程に師の感触は上々。「あとはこれからケイコを進めていって(テンション面が)どうか」と今後の課題を挙げた。(馬三郎栗東支局・塩手)