持続化給付金受給問題、JRA戒告止まりの大甘裁定 指南の税理士処分なし

 厩舎関係者らが新型コロナ対策の国の持続化給付金を不適切に受給していたとされる問題で、JRAは10日、2度目の調査結果報告説明会を中山、阪神競馬場で行い、調教師会、騎手クラブの内規に基づく関係者170人の処分を発表した。

 再調査の結果、受給者は4人増えて169人(うち3人は副業の収入減などによる申請)となった。各会の処分内容は騎手(13人)は戒告、調教師(22人=延べ24人、重複含む)は戒告、厳重注意、注意。厩舎従業員135人のうち132人(退職者含む)は厳重注意となったが、3人は当初の調査に対して虚偽の回答をしたため、出勤停止(5日間)となった。

 また、申請を指南したとされる大阪の男性税理士は3月8日、“道義的観点で世間から厳しい意見が寄せられ、中央競馬に関係する方々の社会的信頼を損なうことになった責任は痛感している”という旨の文書をJRA、調教師会へ送達。馬主で構成する諸団体の役員全てについて辞表を提出したことが分かった。関与した114件は全てが返還済み、または返還手続き中で、報酬は申請者に返還したという。

 JRAによる男性税理士への処分(戒告や馬主資格停止等)がなかったことについて、吉田正義常務理事は「競馬施行規則に基づく対応ができないか、慎重に精査したが、該当しないというのが結論」と説明した。

 会見では処分の甘さとともに、給付者の実名公表の可能性について問われる場面もあったが、日本調教師会関東本部長の手塚師は「“不正”ということではなく“不適切”という判断。不正でない以上、プライバシーにも関わるため控えさせていただきたい」と返答した。

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