【ボート】白井英治が通算99回目の優勝「G1を勝ったよりうれしい」
「シモデンカップ・G3」(24日、児島)
SG、G1で数々の名勝負を繰り広げてきたゴールデンレーサー・白井英治(44)=80期・A1=が今期最後の児島で貫禄を示した。昨年5月大村以来となる1年ぶりの優勝を飾った。予選をトップ通過すると、準優、優勝戦では貫禄の逃げを披露した白井は「今回は優勝する気持ちで来ていたのでホッとした」と晴れやかな表情。スタンドからの拍手に応え歓喜のVゴールを駆け抜けた。
昨年は3月下関周年を含め5月までにV5。SGでも優出し、5年連続でのグランプリ出場も果たした。だが、20年5月大村V後は一般戦を含めて優勝は0。優勝戦1号艇での3着が3回と苦杯をなめた。師匠・今村豊さんの電撃引退が報じられた10月は平和島周年に出場中。引退表明直後の優勝戦で1号艇だったが3着に終わった。「今思えば、師匠の引退後は力が入り過ぎ、気負い過ぎていたのかもしれない。この優勝で吹っ切れた。G1を勝ったよりうれしい」と喜びをかみしめた。
土曜日のG3戦としては珍しく、女性ファンや子どもたちが多かった最終日。「今まで間隔があくことはあまりなかったのに、コロナがまん延してから優勝できていなかった。レースの前、ファンの方々の声援が聞こえて来てグッときた。絶対に勝たなくてはと感じた。大切なものが何か、久々に感じ取ることができた」とファンの存在を実感。優勝後の水上パレードでは、スタンドに居並ぶファンに笑顔で手を振り続けた。
これで通算Vは99回目。「98で止まっていたが、これで100も見えた。オールスター、児島のグラチャンへ向けてリズムを上げていくことができる」と最後は自信に満ちた笑顔。悲願のグランプリ制覇へ、白井の21年はこの児島から始まる。