【日本ダービー】エフフォーリア惜敗 横山武JRA史上最年少ダービージョッキーならず

 「日本ダービー・G1」(30日、東京)

 無敗皐月賞馬との火花散るたたき合いを制したのは4番人気のシャフリヤール。2分22秒5のダービーレコード(従来は19年ロジャーバローズの2分22秒6)を刻み、鼻差で7398頭の頂点に立った。福永祐一騎手(44)=栗東・フリー=は昨年のコントレイルに続く連覇を決め、歴代2位となるダービー3勝目を達成。通算G1勝利も区切りの30勝に到達した。

 勝利を確信したその瞬間、無敗2冠がスルリと逃げた。1番人気に支持された皐月賞馬エフフォーリアは2着でゴール。「人気に応えられなくて申し訳ないです…」。戦後最年少となる22歳5カ月9日でのダービーVを狙った横山武は、悔しそうに声を絞り出した。

 最初のコーナーを3番手で通過。序盤は少しハミをかむシーンもあったが、がっちりと手綱を押さえて最内で脚をためた。向正面で各馬が一気に動いてきても、上手にやり過ごして対応。中団までポジションを下げたが、残り500メートルあたりで進路を外に取ると、一気の伸びで堂々先頭へ。圧勝した皐月賞の再現かと思われたところに内から強襲された。「力むところはあったけど、しまいは伸びてくれました。勝ち馬とは決め手の差。切れ負けです」と鞍上。最後は首の上げ下げの際どい勝負になったが、勝利の女神はほほ笑まなかった。

 鹿戸師は「うまく流れに乗れたし、前もスムーズにあいた。ジョッキーはうまく乗ってくれた」と若い鞍上をねぎらった。来週中には福島県・ノーザンファーム天栄へ放牧に出される。「鼻差は悔しいですね…。また鍛え直して頑張ります」と前を向いた。デビュー5戦目の初黒星。この悔しさは秋に晴らすしかない。

 ◆父も祖父も2着…エフフォーリアの父エピファネイアは13年にキズナの2着、そして祖父シンボリクリスエス(02年)、ハーツクライ(04年)も2着と涙をのんだ。血の宿命を背負って臨んだ無敗の皐月賞馬だったが、呪縛を解き放つことはできなかった。

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