【ボート】酒見峻介が児島で初優勝 上滝和則選手会長の目の前でカドまくりV
「一般戦」(23日、児島)
最終日の12Rで優勝戦が争われ、酒見峻介(36)=佐賀・108期・B1=が通算4回目の優出で初優勝。カドからコンマ12のトップSで、人気を背負ったインの山田康二(佐賀)をまくりで撃破。道中はターン巧者の山田の猛追を振り切り、メモリアルゴールを駆け抜けた。
今シリーズは予選1位の山田、2位の森永淳ら佐賀勢が活躍。走る選手会長・上滝和則ら6人が予選を突破し、3人が優勝戦へ進出した。
チルト1のオリジナル調整を貫いた酒見は攻めのレースを繰り広げ、予選ではまくり3回、逃げ1回で4勝。ホーム5メートルの追い風の中、優勝戦もカドから会心のまくりを決めた。
「冷えた最終日は調整をして、さらに足は良くなっていた。(2番手が)山田さんだったので、最後まで気は抜けなかった」と喜びをかみしめた。
初優勝の表彰式を見守っていた上滝選手会長は「優勝すると思っとったよ。文句なし」と攻め抜いた酒見を祝福。酒見はインタビュー時、レース時よりも緊張でガチガチ。「佐賀支部の誇りである上滝会長の前で優勝することができて本当にうれしい」と涙をこらえた。
「チルト1をこの数カ月続けて、冷えてからどうかと思っていた。佐賀支部には素晴らしい先輩方が大勢おられる。次はA1になって、いつか一緒に記念を走りたい」と明確に目標を定めた。
新勝率は5・62で1月からは初A2。酒見のチルト1は、伸びは強力で回り足も抜群。ピット離れも遅れない新たなスタイル。ボート界に新たな革命を起こした。
表彰式後は気温9度と冷え込んだ中、上滝会長ら佐賀勢による水神祭が行われ、Tシャツ姿の酒見はずぶぬれ。これ以上ない緊張感の中、自身のレースを貫き結果を出した酒見にもう恐れるものはない。峰竜太らスター選手の宝庫である佐賀支部に、新たな個性派レーサーが誕生した。