【ジャパンC】ブルーム 威風堂々 名門A・オブライエン厩舎が05年以来の外国馬V狙う
「ジャパンC・G1」(28日、東京)
05年のアルカセットを最後に外国馬Vは途絶えたまま。15連勝中の日本馬の牙城を打ち崩すべく、2021年は3頭の外国馬が来日。アイルランドのA・オブライエン厩舎からはブルーム(牡5歳)、ジャパン(牡5歳)の2頭のG1ホースが“刺客”として送り込まれてきた。ここが引退レースと決まっているフランスのグランドグローリー(牝5歳)とともに、欧州勢が虎視たんたんと牙を研いでいる。
世界的名伯楽のA・オブライエン師が、3年ぶりに実力馬を日本に送り込んできた。過去に4頭を参戦させるも17年アイダホの5着が最高着順。とはいえ、21年のメンツはひと味違う。その筆頭が、21年の仏G1・サンクルー大賞を制したブルームだ。
2歳時から欧州の大レースに挑み続け、6度目のG1挑戦でついに初戴冠。とりわけ21年は〈4・4・0・2〉と好調で、重馬場で崩れた凱旋門賞11着を除く9戦で4着以内を確保している。前走のBCターフも4角先頭から見せ場十分の2着に好走しており、目下の勢いは侮れない。
火曜朝は輸入検疫先でもある千葉県白井市・競馬学校のダートをF15~20秒程度のキャンターで1周(1400メートル)し、10分弱のインターバルを挟んでからもう1周。ゴール地点の手前あたりから加速し、しまいは1F14秒ほどに伸ばしてフィニッシュした。僚馬ジャパンを常に先導する形で、威風堂々とした立ち居振る舞い。キーティング助手も「両馬ともリラックスしていて、厩務員の2人(ともに元障害騎手)も馬の状態に満足しています」と出来に太鼓判を押す。
外国馬で最後に馬券に絡んだのは、ブルームの父オーストラリアの母にあたるウィジャボード(06年3着)。血統表に光る名が、日本の馬場適性を静かにアピールしている。名手ムーアとのコンビで、05年アルカセット以来の外国馬Vをやってのける可能性は十分だ。