安藤勝己元騎手「中央移籍の道筋つくってくれた」 “恩師”藤沢和師へ感謝の思い

 ついに藤沢和雄調教師(70)=美浦=がラストウイークを迎えた。「藤沢先生には感謝の気持ちしかないですね。そうかあ、もう定年なんだねえ」。元騎手の安藤勝己さん(61)は寂しそうに話した。「オレが中央へ行く道筋をつくってくれたのが先生だったからね。それまでは行きたい気持ちはあっても、どうすればいいのか分からなかった。実は藤沢さんが(騎手免許試験の)願書を出してくれたんだよ」。

 笠松からJRAへ移籍。当然のように美浦所属を勧められた。騎手免許試験合格発表の日もそう。岐阜の自宅から会見先の栗東トレセンへ向かう道中に、美浦入りを打診する電話があったという。

 「家族のことがあったから栗東を選んだけど、先生には申し訳ないことをしたと今でも思っている。断ったから、当時は『裏切り者』って言われたよ。だから、移籍当初はあんまり乗せてくれなかった(笑)」と当時を懐かしそうに振り返る。

 JRA・G1で22勝。中央移籍がなければ、この金字塔はなかった。その道を照らしてくれた恩師への思いは尽きない。「(引退は)残念だし、もったいない。でも、これもまた区切り。また、一緒にゴルフでも行っていろいろ話したいね」と感謝の気持ちを伝えた。

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