【ボート】児島優勝戦 山田佑樹が地元で復活V 同期・海野康志郎とワンツーフィニッシュ
「備南競艇事業組合46周年記念競走」(13日、児島)
児島ボートの優勝戦は1号艇の山田佑樹(35)=岡山・95期・A2=がコンマ11のSでイン快勝。人気に応えて地元児島で初、2008年12月住之江以来となる通算2回目の優勝を飾った。6号艇の海野康志郎(山口)はスローの5コースに入り、まくり差しで2着。95期のワンツーフィニッシュで決着した。
今大会は前走多摩川で優勝したばかりのSGレーサー・江口晃生(群馬)ら、強豪がズラリ。山田は1走目に5コースまくりで白星を飾り、3日間の予選を1位で通過。準優、優勝戦と完璧な逃げを決め、シリーズの頂点を極めた。17年4カ月目にして地元初Vを決めた山田は「ホッとしている。準優前にバタバタした分、今日は何もせずに行こうと決めていた。ちょっと重かったが、調整はズレていない。後ろに海野が見えて、おっと思った。やっぱり海野はうまい」と同期とのワンツーに感動を新たにした。
山田と海野は、峰竜太(佐賀)、山田哲也(東京)、岡村仁(大阪)らスターを輩出した95期の若手組。山田は18歳、海野は17歳でボート界に飛び込んだ。08年12月住之江で、デビュー4年3カ月にして初優勝した山田だが、20代、30代は苦しみ抜いた。華々しい同期の活躍の陰で、勝率3点台に低迷した時期もある。「選手としてというより、人間としてこんなことではダメだと思っていた。何度も選手を辞めようと考えた。一人では立ち直ることはできなかった」と苦悩の日々を送った。周囲の支えで再起を図った山田は「僕の中では、19年7月が本当のデビュー。気持ちが落ち着いてから成績も上向いた」とA2に復帰。「僕がどんな時でも、同期はいつも通りに接してくれた」と仲間に感謝。35歳になった今、1つ年下の海野と優勝戦で共に戦い、最高の結果を残した。
レース後すぐに駆け寄って祝福した海野は「お前が一番、オレが二番だからコレ」と記念撮影のポーズを指示。「自分が優勝したも同然の気持ち。同期の優勝を見ることができて良かった」と勝者をたたえた。山田は「同期のみんなは、もうすごい選手になっている。遅いけど、僕もこれから頑張っていきたい。今日は帰って泣きます」と喜びをかみしめた。決して遅くはない。ボートレーサー・山田佑樹の選手人生は始まったばかりだ。