【桜花賞】なぜ横山武史が飛び抜けた成績を挙げているのか 要因は「スタートとハート」
「桜花賞・G1」(10日、阪神)
5年目の昨シーズンに、G1・5勝を含む104勝をマークして2年連続関東リーディングを獲得した横山武史騎手(23)=美浦・鈴木伸=が、前哨戦覇者ナミュールとのコンビで初の桜冠奪取に挑む。
「今の若い騎手は馬乗りが上手だよ」。近年、厩舎関係者からよく聞く言葉だ。では、乗れるとされる若い騎手の中でも、横山武がこれだけ飛び抜けた成績を挙げている要因はどこにあるのか。
前提として騎乗馬の質というものがあるが、記者が思う他の騎手との違いはスタートだ。とにかく出遅れが少ない。以前、彼は「もともと苦手ではなかったけど、よほど駐立が悪い馬や、難易度が高い馬でなければ安定してスタートを切れるようになりました」と語っていた。1000メートル以上走って、最後は数センチ差で明暗が分かれる世界。発馬は結果の行方を大きく左右する。
あとはハートの部分だろう。取材の受け答えで感じる芯の強さ。それが積極的な騎乗にも表れており、常に自分のスタイルをしっかりと貫いているのだ。桜花賞のナミュールだけでなく、翌週の皐月賞でコンビを組むキラーアビリティもV最有力候補。高松宮記念と大阪杯は無念の結果となったが、逆襲の手綱に注目したい。(デイリースポーツ・小林正明)