【桜花賞】横山武史 ナミュールで逆襲の桜冠獲りへ 「もっと勝たなければ」
「桜花賞・G1」(10日、阪神)
5年目の昨シーズンに、G1・5勝を含む104勝をマークして2年連続関東リーディングを獲得。スターダムへと駆け上がった横山武史騎手(23)=美浦・鈴木伸=が、前哨戦覇者ナミュールとのコンビで初の桜冠奪取に挑む。高松宮記念(レシステンシア1番人気6着)、大阪杯(エフフォーリア1番人気9着)と厳しい船出となった春G1だが、持ち前の強いハートで反撃へと転じることができるか-。
-22年はここまでJRA38勝をマーク(4日現在)。キャリアハイの104勝を記録した21年の同時期を超えるハイペースで勝利を量産中。この数字をどう捉えているか。
「自分としては不満ですね。これまで以上にいい馬に乗せてもらっているので、もっと勝たなければいけないと思っています。それに、結果はもちろん大事ですが、その上で内容がなければ、人も馬も次にはつながりません。22年はその部分をしっかりやろうと思っているのですが、今のところできていませんね」
-さて、今週は桜花賞。ナミュールとのコンビで挑む。前哨戦のチューリップ賞を振り返って。
「僕自身、あまりスムーズな競馬はできなかったけど、馬が強かったです。ちょっと小柄な女の子なのでピリピリしているかなと思ったけど、どっしり構えていてビックリしました。いい意味で牝馬らしくないですね」
-メンバー最速タイの上がり3F33秒9をマークして1馬身半差の完勝。
「ゲートを出てくれて位置取りは良かったけど、直線の進路取りで迷うところがあって、スムーズにはいきませんでした。その中でも差し切ってくれたので、能力の高さは再確認できましたね。道中は馬群の中に入れられたし、前回の競馬が、この馬の今後につながってくれると思います」
-ナミュールの長所は。
「柔らかさだけなら、(同時期の比較で)エフフォーリアより上ですね。総合的にエフフォーリアはすごいけど、柔らかさという部分だけならナミュールの方がいいかも。ハッキング(軽めの駆け足)から柔らかくて、脚にクッション材が付いているみたいです。それでいて芯がある。芯があって柔らかいタイプはなかなかいないですよ。まだしっかりしていない部分があるし、完成形ではないけど、現時点でもすごくいい馬です」
-前走は直線でブレーキをかけるような場面がありながらも、そこから鋭い末脚を発揮。
「しなやかで体の使い方がうまいですよね。タイプによっては、あそこから再加速できない馬もいますから。前回はそこに救われました」
-本番へ向けて。
「いい内容でトライアルを勝ってくれたし、あとは僕自身がもう少しスムーズに乗れれば。ただ、いろいろと確認することができたし、それを基準にしてレースプランを組み立てていこうと思います」
◆横山武史(よこやま・たけし)1998年12月22日生まれ、23歳。茨城県出身。血液型O。美浦・鈴木伸尋厩舎所属。JRA・横山典弘騎手の三男。祖父・富雄氏、兄・和生も騎手。17年3月4日にデビュー。20年フローラS(ウインマリリン)で重賞初制覇を飾り、21年皐月賞(エフフォーリア)でG1初制覇。20、21年と2年連続で関東リーディングを獲得した。JRA通算3472戦338勝(うちG15勝を含む重賞11勝=4月4日現在)