【オークス】スターズオンアース 意地の2冠 桜女王が大外一撃、混戦ムード断ち切った
「オークス・G1」(22日、東京)
桜花賞馬の意地が、混戦ムードを断ち切った。3番人気のスターズオンアースが大外一気の末脚でライバルをねじ伏せ、史上16頭目となる2冠を達成。テン乗りで見事にエスコートしたルメールは、これが22年の重賞初制覇となった。なお、桜花賞に続くテン乗りでの2冠は史上初。2着は10番人気スタニングローズ、3着には4番人気のナミュールが続き、1番人気に支持されたサークルオブライフは見せ場なく12着に沈んだ。
桜のヒロインが、新緑の府中でもまばゆい輝きを放った。大外枠も何のその、3番人気のスターズオンアースが、力でねじ伏せて2冠制覇を達成した。
中団でじっくり脚をため、直線で外へ出されると鋭く反応。メンバー最速の上がりを記録して突き抜けた。殊勲のルメールは「一番外なのでゆっくり内に入れました。道中は息が入ってリラックスしていたし、フットワークも良かった。坂を上がってからはすごくいい脚を使ってくれました」と振り返る。
テン乗りでつかんだ美酒。いつも冷静な鞍上にしては珍しく、激しいガッツポーズを繰り返した。「僕にとっては久しぶり(のG1制覇)だった。何回も2着があって最悪だった」。日本での重賞Vは21年12月4日のチャレンジC(ソーヴァリアント)以来で、出走取消となった青葉賞を除くと29連敗中だっただけに喜びはひとしおだ。
桜花賞以上のパフォーマンスに、高柳瑞師も満面の笑みだ。「ゲートを上手に出て、リズム良く走れていると思いました。必ず脚は使ってくれるので、伸びて差してくれると思っていました」と勝利をかみ締めながら回顧した。
秋の最大目標はもちろん、牝馬3冠の懸かる秋華賞(10月16日・阪神)だ。鞍上は「彼女のポテンシャルは高いです。1600メートルはちょっと(流れが)速かったけど、桜花賞を勝つことができた。そのあとのオークスは楽勝でした。アーモンドアイと一緒です。だから秋華賞の2000メートルはピタリの距離なので3冠を獲れると思います」と、かつての偉大なパートナーを引き合いに出してたたえた。名手の脳裏には、偉業達成の道筋がクッキリと浮かんでいる。