【セレクトセール】モーリス産駒「モシーン21」史上2位4・5憶円 「きょう一番いい馬」
「セレクトセール2022」(11日、ノーザンホースパーク)
1歳馬233頭が上場した初日、モーリス産駒の「モシーン21」が1歳セレクトセール史上2位となる4億5000万円で落札。会場は大いに盛り上がった。また、“ウマ娘”で知られるサイバーエージェント社長の藤田晋氏が、昨年に続いて計10億超えの爆買い。相変わらずの羽振りの良さを見せつけた。なお、1日の総売上は128億7000万円で、昨年の116億3800万円を更新して歴代最高額となった(※価格は全て税抜き)。
会場が大きなどよめきに包まれた。プリモシーンの半弟にあたるモーリス産駒のモシーン21(牡)が、初日の最高額となる4億5000万円で落札。国内最大のサラブレッド市場の活況ぶりをアピールした。
上場番号76番の鹿毛が登場すると、紹介を受ける前から場内がざわつき、いきなり「2億円」の一声でビットスタート。ほぼノンストップで声が掛かり続けて3億円を突破し、4億円からはジリジリ上がる展開に。最終的には「ダノン」の冠で知られる(株)ダノックスが、1歳セレクトセール史上2位となる額で決着をつけた。
同社の岡田良樹ディレクターは「とにかくいい馬ですね。オーナーがまだモーリスの子を走らせていなくて、モーリスの子に興味を持っていました。ホームカミングクイーン21(牡、2億2000万円で落札)と、この馬はどうしても行きたいということで、うちとしては万々歳の結果です。とにかく好馬体で、動きが良く、1歳にしては完成している。きょうの一番いい馬だと思います」と満足そうに振り返る。ノーザンファームの吉田勝己代表は「あの馬は今まで見たことないくらい、すごくいい馬だと思います」と将来性に自信をのぞかせた。
大種牡馬ディープインパクトが19年に急死したことで、競馬界は大きな転換期を迎えた。わずか4頭しか上場されなかった昨年も含めて、1歳馬セールは同産駒が10年から12年連続で最高落札額(昨年はロードカナロア産駒と並んで3億円)を記録したが、今年はモーリス産駒、ドゥラメンテ産駒、エピファネイア産駒と落札額上位馬は多士済々。種牡馬にとって群雄割拠の時代に突入した。